トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2016年2月 第182号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

受け入れ拡大へ向け総合戦略を (2016/1/10 日経新聞)

少子高齢化が進む日本が今後も活力を維持していくうえで欠かせないのが、外国人をどう受けいれていくかの議論だ。

日本の生産年齢人口(15〜64歳)は2035年までの20年で約17%減る見通し。すでに様々な分野で人材不足が顕在化しているが、これが一層深刻になるだろう。

■人手不足は一層深刻に

一方、世界では有能な人材の獲得競争が加速している。女性や高齢者の働く機会を増やすのは重要だが、同時に外国人にもっと日本で活躍してもらう必要がある。にもかかわらず、これまで政治も社会もこの問題に及び腰の対応ですませてきた。どんな人材を求めるか。日本で働く外国人が社会に溶け込める仕組みをどうつくるか。受け入れの拡大へ向けて新たな総合戦略を練るべきときにきている。

外国人受け入れの議論を停滞させているのが「移民」に賛成か反対かの不毛な二元論だ。

日本語の「移民」は、外国人がすぐに永住権などを取得することと理解されがちだが、現実にはどの国でも様々な手続きや条件を踏まえて資格を与える。そのやり方を前向きに議論すべきだが、政府が「移民政策をとらない」としていることもあって話が進まない。

「専門的・技術的分野」の外国人は受け入れるが、「単純労働者」などは受け入れないとの二分論も限界に来ている。何をもって専門、技術的というのか区別が難しいうえ、この区分法のままで日本に必要な人材が確保できるのかという厳しい現実に直面している。

外国人受け入れのあり方を考えるにあたって、政府が自らはめてきた制約をいったん取り除き、これからの日本にふさわしい仕組みを一から検討し直す必要がある。

まずは、政府が積極的に受け入れるとしている、専門能力を持つ人材の受け入れを加速させることだ。政府は高度人材を優遇するポイント制を導入したが、利用者は思うほど増えていない。

日本は高度人材の受け入れ競争でシンガポールなどに比べて大きく出遅れており、より魅力的な仕組みで優秀な人材を引き入れる必要がある。永住許可の申請条件の緩和や起業家向けの在留資格を特別につくるなど外へ向かって積極的なアピールをしていくべきだ。

もちろん、在留資格だけでなく、外国人がビジネスや研究、生活をしやすい環境を整備することも急務である。

正面から向き合うべきなのは、労働力不足に対応した外国人受け入れの制度設計だ。厚生労働省の推計では、介護人材は2025年には37万人不足するという。

介護に限らず看護、農業、製造業から自動車整備士まで幅広い分野で人手不足が深刻になる恐れがある。機械などで代替できる部分もあるがそれだけでは不十分だ。

これまで人手不足に事実上対応してきたのが技能実習制度や経済連携協定(EPA)に基づく人の受け入れだ。目的は「国際貢献」だが、受け入れ側にとっては人の確保が最大の狙いだ。技能実習の一部では不当な処遇や人権侵害が国際問題になっているが、背景には建前と現実のかい離がある。

■新たな就労の仕組みも

この矛盾を放置するのはもう限界だ。構造的に人が足りない分野について、一定の職務能力を持つ人材を受け入れる新たな就労の仕組みを検討すべきではないか。

ドイツ、英国などは、人手不足が著しい業種や職種を指定し、国内で募集しても充足できない場合に外国人を雇用する仕組みを取る。受け入れ決定にあたって幅広く経済や雇用への影響を分析し、政府に助言する独立機関を設置している国もある。

日本国際交流センターは、二国間協定に基づいて、出身国で一定の公教育を受けた者を対象に新たな在留資格「特定技能」を付与する仕組みを提言している。日本語や技能のレベルが上がった人は日本に残るチャンスを与え、技能向上や日本に溶け込む努力を促す。

もちろん外国人の処遇は日本人と均等にし、賃金が全体として下がらないようにする必要がある。

外国人の受け入れ拡大に抵抗を持つ人も多い。だが外国人に頼らないとやっていけない業種や職種が増えているのはまぎれもない事実だ。それに目をつぶるよりも、現実に即した就労の仕組みを考えていくほうが賢明ではないか。

↑ページの先頭へ戻る

介護職員25万人不足 20年代初頭、厚労省推計(2016/1/13 朝日新聞)

厚生労働省は12日、2020年代初頭の介護職員の不足数について、これまでより約5万人多い約25万人とする新たな推計を公表した。安倍政権が「1億総活躍社会」に向けて掲げる同時期までの「介護離職ゼロ」を実現するには、人材を増やす必要性が生じた。

介護現場の職員不足は高齢化に伴い深刻化しており、自治体がまとめた見通しでは20年度に約20万人が不足する恐れがあるとされてきた。政府は「介護離職ゼロ」の実現のため、特別養護老人ホームなど介護サービスの整備計画を20年度の38万人分から上積みし、20年代初頭に50万人分を目指す目標を示したことで、さらに不足数が膨れた。

試算は、12日に開かれた介護職場の生産性向上を目指す有識者懇談会に示された。懇談会は、現場から削減の要望が強い記録や報告書の文書の半減や、介護ロボット活用などを検討。政府が今春にも策定する20年以降を見据えた政策集「1億総活躍プラン」に盛り込まれるよう、厚労省が4月に具体策をまとめる。

↑ページの先頭へ戻る

介護施設の定員増、計画の7割… 建設費高騰・人手不足で (2016/1/12 読売新聞)

全国で2012〜14年度に整備された介護施設の定員数が計画の7割どまりだったことが、読売新聞の調査で分かった。

建設費高騰や介護の人手不足が主な原因。政府は昨年「介護離職ゼロ」を掲げ、従来の整備計画を引き上げ、20年代初頭までに施設を中心に新たに50万人分の受け皿を作る方針を示したが、現行計画の達成すら難しい状況で、実現に向け人材確保など対策の強化を迫られそうだ。

介護サービスの整備は、自治体が3年ごとに計画を立てる。調査は先月、都道府県と政令市、東京23区の計90自治体を対象に実施。特別養護老人ホームや老人保健施設、有料老人ホームなど主要な介護施設について昨年度までの3年間の整備計画と実績を聞き、全自治体から回答を得た。

その結果、3年間で全国で介護施設定員数を計19万8158人分増やす計画だったのに対し、実際には72%の計14万3257人分しか増えていなかった。

そのうち4割以上を占める特養は、8万6999人分増やす計画だったが、実際に整備できたのは84%の7万2745人分だった。最も整備ができた秋田県の106%に対し、最低は沖縄県の49%で、大阪府62%、東京都64%と続くなど、特に都市部の整備に遅れが目立った。市区でみると、東京都中心部が際だって低く、7区が50%を下回った。

達成できなかった理由を聞いたところ、〈1〉建設費の高騰〈2〉用地確保が困難〈3〉介護人材の不足――の順で多かった。

調査では、全国で14年度末までに整備できた主要な介護施設の総計は約145万人分だった。政府は「1億総活躍社会」の実現に向けた柱の一つに「介護離職ゼロ」を掲げ、新規整備目標を従来の34万人分から、高齢者住宅なども含め50万人分に増やし、施設建設や人材育成の費用として1384億円を今年度補正予算案に盛り込んでいる。

これに対し、政府方針に沿って計画を「引き上げる方向で検討したい」と回答したのは12自治体(13%)で、そのほとんどが、介護保険料の上昇と人材不足を課題に挙げた。

一方、「引き上げの実現は難しそう」は8自治体、「引き上げは必要ない」は6自治体で、残りは「現時点では判断できない」などと回答した。「現在の必要量に合わせて施設を建設した場合、将来的に高齢者が減った際に無駄になってしまう」と、今後の人口減を見据えた指摘もあった。

↑ページの先頭へ戻る

看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN)2017年 1月〜11月号

2016年 1月〜12月号

2015年 1月〜12月号

2014年 1月号〜12月号

2013年 1月号〜12月号

2012年 1月号〜12月号

2011年 1月号〜12月号

2010年 1月号〜12月号

2009年 5月号〜12月号