トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2015年5月 第173号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

介護福祉士に一発合格 インドネシア、比国出身5人(2015/4/17 琉球新報)

南城市大里字大城の特別養護老人ホーム「東雲の丘」(石島衞理事長)で就労して3年になるインドネシア人、フィリピン人の計5人がこのほど、介護福祉士国家試験に合格した。就労と試験勉強を両立させながら、日本の国家試験に一発合格した5人は「ずっと頑張っていたからよかった」と笑顔をはじけさせた。

試験に合格したのはインドネシア人のセプティアン・アディ・ヌグロホさん(26)、ピタ・ユニ・スパナさん(29)、アフマド・ルクマン・ハキムさん(31)、フィリピン人のイグナシオ・アイラ・カシミル・アンチェタさん(29)、ラグンディノ・メリー・グレイス・トナカオさん(29)。

「東雲の丘」は2010年から、国際厚生福祉事業団が実施する経済連携協定(EPA)に基づく看護・介護受入事業で2国からの就労者を受け入れており、現在13人が働いている。同事業で就労者を受け入れている県内の特別養護老人ホームは「東雲の丘」のみ。

今回試験に合格した5人は11年に来日し、横浜や千葉での研修の後、同年冬から「東雲の丘」で勤務し始めた。利用者の入浴、排せつ、食事などの介助をしながら、毎週火曜日に日本語と介護の授業を5時間受講した。空き時間は試験勉強に取り組んだ。

物価や食文化の違う異国での就労に、戸惑いやホームシックもあったという5人。だが「認知症の利用者に名前を覚えてもらったのがうれしく、仕事のやる気につながった」と語るイグナシオさん。セプティアンさんも「お年寄りが使う方言は難しかったけど、『チュラカーギーだね』と声を掛けると喜んでくれた」と笑う。

本年度から「東雲の丘」で就労を続けるほか、自国や県外で働くなど、それぞれの道を歩み始める5人。

「東雲の丘」で就労を続けるアフマドさんは「3年間は短く、もっと勉強して経験を積みたい。お世話になった施設にも恩返しがしたい」と意気込んだ。

石島薫施設長は「5人は優秀で、利用者は彼らを孫のように思って接している。3年間でとても成長し、信頼できる人材だ」と太鼓判を押した。

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Listening:<そこが聞きたい>外国人労働者受け入れ 多賀谷一照氏(2015/4/15 毎日新聞)

◇職種ごと計画的に 独協大教授・出入国管理政策懇談会座長代理、多賀谷一照氏

少子高齢化に伴う労働力不足が深刻だと言われる。政府は外国人を一定期間受け入れる技能実習制度を拡充する方針だが、「使い捨て」との批判も根強い。法相の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」の座長代理、多賀谷一照・独協大教授に聞いた。

外国人技能実習制度の適正化を図る法案=1=が今国会に提出されました。今年度中には新制度に移行する見込みです。

この制度には、実習生の受け入れ先を指導する公益財団法人「国際研修協力機構」(JITCO)に強制的な調査・規制権限がなく、外国人が不当な低賃金、長時間労働を強いられているという指摘がありました。事業協同組合や農協などの「監理団体」による監督も行き届いていないと言われています。これに対し、新制度では法的権限を持つ新たな監督機関が設けられます。この仕組みが機能すれば、乱用的利用は一定程度排除されるでしょう。一方で、実習生の受け入れを認められなくなった事業所は労働力確保が難しくなり、事業が立ちゆかなくなる事態も考えられます。新制度の影響を注視していく必要があるでしょう。

技能実習制度を廃止すべきだという意見もありますが。

「途上国への国際貢献」という制度の趣旨と実態が一部で著しく乖離(かいり)しているのは事実です。実習生が未払い賃金の支払いを求めて訴訟を起こすようなケースも相次いでおり、批判は当然です。一方で、約16万人もの実習生が働いているのも事実ですし、例えば機械関係や金属関係といった職種では、制度が比較的うまく機能していると聞いています。制度全面廃止は非現実的です。韓国のような雇用許可制=2=に切り替えるべきだとも思いません。

経済団体などは、技能実習制度にとらわれず、外国人労働者の積極受け入れを求めています。

労働力が不足して日本人の賃金が高くなった結果、企業は利益を確保しにくくなっています。ただ、だから賃金の安い外国人を雇うというのはやや安易な考えです。確かに、少子高齢化に伴い労働生産人口が減少する中、将来的に外国人労働者を増やしていくことは避けられないでしょう。現在は技能実習制度がその手段になっていますが、今後は、産業のIT化によって必要な労働力は減少するとみられています。女性や高齢者の雇用増大といった方策とも組み合わせた上で、外国人受け入れについて考えなければなりません。

農業や水産加工業の現場には「実習生なしでは経営が成り立たない」との声があります。

そもそも農業や水産加工業は実習生に単純労働のような作業をさせているケースも多く、「技能実習」にふさわしい職種なのか疑問です。予測は困難ですが、将来的に農業や水産加工業では現在のような大量生産体制を維持できなくなり、高品質品の少量生産に向かうのではないでしょうか。政府は人口を地方に移動させる政策を進めています。やりがいがある仕事に一定の賃金を支払う仕組みができれば、地方の生産現場にも日本人の働き手が戻ってくる可能性はあります。

日本に人材を供給してきたアジアの国々も豊かになりつつあり、近い将来、日本に人が来なくなるとの見方もあります。

外国人労働者が国境を自由に越えて働く場所を探すという前提に立てば、そういうことも想定されるかもしれません。しかし、日本が市場原理に任せて外国人の出入りを自由にする政策を取り入れることは、現状では考えられません。安全で暮らしやすい日本で働きたいという外国人は今後も減ることはないでしょう。

技能実習制度による外国人労働者の受け入れ増加には限界があります。例えば今後、労働需要が高まっていくと予想されるサービス分野のうち、既に実習生受け入れが決まった介護は、途上国の人材育成につながるかもしれません。一方で、公的な技能評価制度もない飲食店やコンビニエンスストアなどの接客業は、農業や水産加工業と同様に現在の制度にはなじまないと思います。

では、どのような形で労働力を確保していきますか。

永住を前提として単純労働者を受け入れる移民制度の導入には、治安悪化や社会保障の負担増といった社会的リスクの懸念があります。留学生が日本語を習得し、日本の文化に慣れ親しみ、そのままごく自然に日本で就業するといったケースとは大きく異なります。移民を広く受け入れて「日本人と外国人の共生」を図るという考えは理想的ですが、日本で多文化共生がすぐ実現できるとは思えません。「門を開けて、後は入るに任せる」というような市場主義的な仕組みにも賛成しかねます。職種ごとの状況を見極め、相手国政府との間で何らかの協定を結んだ上で、外国人労働者を計画的に受け入れるという対応が現実的でしょう。

◇聞いて一言

制度の見直しによる外国人技能実習の健全化に期待したい。一方で国際貢献のための制度が安価な労働力確保に使われている現状は変わらないとの見方もある。外国人の労働力で人手不足を補うなら、労働者として受け入れる枠組みが不可欠だ。在留期限を定めないまま外国人労働者を一斉に受け入れた場合、日本の社会にどんな影響を及ぼすのか正確に予測することは難しいし、容易に結論を出せないテーマではある。それでも「ごまかし」を続けないためには議論が必要だろう。

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介護のキャリア段位制度 専門職も技術を再確認(2015/4/2 産経ニュース)

入所者に食事介助をする清原啓之さん=東京都足立区の老人保健施設「千寿の郷」

現場で正しい介護技術を発揮できるかどうかを測る「介護プロフェッショナル・キャリア段位制度」が少しずつ広がっている。介護技術の「見える化」で昇給や昇進の道筋が明確になれば、介護職のやりがいになり、ひいては人材確保につながると、国が推進している。東京都は平成27年度から、レベル認定者のいる事業所に補助金をつける。介護職確保になるか、注目されている。

東京都足立区の老人保健施設「千寿の郷(さと)」の介護職で介護福祉士の清原啓之さん(33)は夕食どき、女性入所者の口元にスプーンを近づけ、「今日はカレーですよ。もう少し食べますか?」と声をかけた。

清原さんは昨年夏、キャリア段位制度で「レベル2の(1)」の認定を受けた。基本的な知識・技術を使い、決められた手順で介護が実践できるレベルだ。

清原さんは「キャリア段位制度で求められる技術は、介護福祉士の資格を取るために習った内容が多く、目新しさはなかった。ただ、今まで知識として分かってはいても、声かけなどを省略しがちだった。手順を再確認できたし、改めて声かけも重要と分かり、ケアの仕方は前より丁寧になった」と言う。

同制度は介護技術を客観的に測る仕組みで、平成24年度にスタートした。同時に、職場での実地訓練に使うことが期待されている。そのため、まずは事業所内で指導的立場の人が講習を受けて「評価者(アセッサー)」の資格を取得。評価者が、認定を受ける同僚を技術評価する。2人で評価書を作成し、実際にレベル認定は公益法人「シルバーサービス振興会」(東京都港区)が行う。

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