トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2013年11月 第155号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

介護での外国人の積極活用を求める声も- 人材不足懸念し、厚労省の事業者懇談会で (2013/10/8 キャリアブレイン)

厚生労働省の老人保健健康増進等事業として行われる「介護人材確保の推進に関する調査研究」の介護事業者懇談会が8日に開かれ、事業者の代表者らへのヒアリングが行われた。事業者からは、2025年までに約100万人の介護人材の確保が必要と推計されている点を不安視する声が続出。外国人労働者の積極活用を求める声も上がった。

「介護人材確保の推進に関する調査研究」の介護事業者懇談会(8日、東京都内)

ヒアリングには、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、認知症グループホーム、有料老人ホームなどの事業者団体の代表者や、介護福祉士やホームヘルパーの団体の代表者が参加した。

日本介護福祉士会の石橋真二会長は、人材確保を容易にするために「介護の仕事を魅力あるものにする必要がある」と主張。具体的には、介護福祉士の上位資格である認定介護福祉士の導入などキャリアアップ制度の確立と、さらなる処遇改善の実現が必要とした。また、全国老人福祉施設協議会(全国老施協)の介護人材対策委員会で幹事を務める河原至誓氏は、「3年以上同じ職場で働いた人は、あまり離職しない傾向がある」と指摘。3年以上同じ職場で働き続けられる環境を創出する必要があるとする一方、「離職率が低いことが、良い介護や良い職場環境を実現していると捉えていいのか」と疑問を呈した。

全国特定施設事業者協議会の国政貴美子副代表理事は、2025年までに新たに約100万人の介護人材が必要とされている点について、「産業構造を変えない限り実現できない」と指摘。介護を他産業より魅力ある存在とする努力と同時に、外国人を積極活用する取り組みが必要とした。全国老施協の河原氏や、橋本正明委員(至誠学舎立川 常務理事)も、外国人の積極活用の必要性を訴えた。

これに対し、藤井賢一郎委員(上智大准教授)は、今の状況のまま、外国人を受け入れれば、「介護は大変な仕事というイメージにならざるをえない」と指摘。また、介護職の処遇改善を実現する上でも、介護福祉士の資格取得の要件をより厳しくする必要があると訴えた。

「介護人材確保の推進に関する調査研究事業」は、介護現場の魅力を向上させるための課題を探るとともに、介護事業に対する社会的評価の改善に向けた方策を検討することを目的としている。既に同事業の検討委員会では、人材確保のための論点として、▽介護福祉分野の養成施設以外の学生らの採用推進▽共同採用などを行う複数の事業所によるユニット形成の促進▽離職率に着目した事業内容の見える化・差別化―などを提示している。

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日本に来た外国人看護師の前にそびえる高い壁 (2013/10/12 THE WALL STREET JOURNAL)

【東京】インドネシア出身のデウィタ・タンブンさん(29歳)は、高齢化や病院の人員不足に悩まされる日本で看護師になりたいと考えている。しかし、そのためには日本の厳格な移民政策とまず闘わなければならない。

タンブンさんが直面している最大の障害は、7時間に及ぶ240問の日本語による試験だ。過去5年間でインドネシアとフィリピンから派遣された看護師741人のうち合格者はわずか96人。タンブンさんは2011年に来日したが、過去に2度その試験に落ちており、2月の3度目の受験で合格しなければ国に帰らなければならない。

「海外で働きたかったから看護師になった。でも、日本語はとても難しい言語で、試験はとても大変だ」とタンブンさんは英語で話した。タンブンさんは午前中は東京永生病院で高齢患者の食事や着替えの世話をし、夜は試験勉強に打ち込んでいる。

タンブンさんのような人材の受け入れは日本にとって経済的に理にかなっている。日本は出生率の低下で生産性の高い若年労働者の不足に直面している。1億3000万人の人口の約4分の1は65歳を超える高齢者だ。その割合は2055年には40%にまで拡大する見通しで、社会保障制度への負担はさらに増す。

厚生労働省によると、看護師は4万3000人不足している。賃金の安さと労働条件の悪さをその原因だという。

仕事と家庭の両立の難しさから、日本人の多くの女性が高齢の家族の面倒をみるために家庭にとどまらざるを得ないことも人手不足を深刻化させている。国際通貨基金(IMF)の予測では、日本が女性の労働参加率を引き上げる措置を取れば、国内総生産(GDP)は年間0.5ポイント上昇する可能性がある。

移民政策研究所の坂中英徳所長は、「人口崩壊に向かって進んでいる日本では、経済戦略、経済成長、その他いろいろな観点からも、年金や社会保障制度を維持していく上からも、移民を入れざるを得ない」と話す。それもかなりの規模の、職種も看護師や介護士といった専門職まで含めた移民が必要だという。

しかし、安倍晋三政権が日本の移民政策の改革に積極的に取り組むと予想する人はほとんどいない。昨年首相の座に返り咲いた安倍氏は、長年デフレに苦しむ日本の景気を再び押し上げようと金融緩和や財政出動策を打ち出している。日本の今年のGDP伸び率は2%になる見通しで、先進国で最も高い成長率だ。

しかし、安倍首相が掲げる大規模な戦略の「第3の矢」は、まだ放たれていない。それは、長期的な成長の支援を目的とした経済改革だ。農業分野の競争促進や労働市場の柔軟化をはじめとする改革案の多くは、既得権益者から反対を受けている。

日本では移民政策は議論の的になっている。警察の統計によれば移民の犯罪は減少しているにもかかわらず、多くの日本人は、さらなる外国人の受け入れが犯罪率の上昇や日本文化の希薄化、賃金低下を招く可能性を警戒している。日本世論調査協会が行った12年の全国調査によると、日本は移民政策を推進すべきと回答した人はわずか1.7%だった。日本にいる外国人は現在200万人と、人口の1.6%に過ぎない。

看護師不足への対応として外国人に頼ることにも日本は消極的な態度を取っている。日本政府は5年前、経済連携協定(EPA)の一環としてインドネシアとフィリピンからの看護師受け入れに同意した。

来日した看護師は、年に1度行われる日本語の看護師国家試験に3年以内に合格しなければ帰国しなくてはならない。その傍ら、滞在費を負担し日本語の研修も支援する病院で看護補助者として就労する。

受け入れの規模は限定的だ。日本には約100万人の看護師がいるが、それに対して来日が許可されているのはわずか数百人。その大半は、日本の看護師国家試験に必要な日本語の読解力を身に付けることができず、結局帰国している。12年に受験した外国人看護師415人の合格率はわずか11%だった。

「EPAでやったのは失敗。試験で振り落とすのは最初から入れる気がなかったから。無責任というか、極めてひどいやり方」と移民政策研究所の坂中所長は話す。

合格率を向上させるため、外国人受験者の試験時間を長くしたり、受験に3度失敗した一部の人に特別に滞在期間の1年延長を許可したりするなど、多少改善は図られている。しかし、政府は外国人を問題の解決策とは考えていない。厚労省は、そもそも看護師受け入れは看護師不足の解消を意図したものではなく、高失業率に悩むインドネシアとフィリピンの要請に応じたものだと話す。

それよりも日本政府が力を入れているのは、カウンセリングなどの就職あっせんサービスを通じて、全国70万の看護師資格を持った人たちを職場に復帰させることだ。人員不足にもかかわらず、看護師の賃金は上がっていない。医療費の大半を負担する政府は巨額の公的債務に対処しなければならず、医療従事者の報酬引き上げには消極的だ。

日本看護協会広報部の伊藤雄介氏は、賃金ベースが1カ月25万円程度と低いことや長時間労働が要求されることなどから、日本の看護師業界の士気は低いと話す。同協会が最近行った調査で、非管理職の常勤看護師の半数は主に賃金が理由で離職を考えていることが明らかになった。

それでも、同協会は、日本語能力の高さは安全上必要だとして、外国人に厳しい試験を課すことを支持している。また、同協会の古参メンバーも、外国人看護師の流入によって日本の労働者の賃金がさらに低下することを懸念している。

一方で、家族の日本への移住の支援を含め、外国人看護師が日本に定着できるよう政府がもっと手を打つべきだとの意見もある。

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の平野裕子教授は、「政府は来られる者はおいでという感じでハードルを高くしているように見えるし、定着を促進しているとはとても見られない。苦労して国家試験に受かっても帰る人も多い。そこを考えなければならない」と指摘する。

タンブンさんは来日前、インドネシアで5年看護師として働いていた。友人を通して日本の外国人看護師受け入れ制度について知った。現在の収入は1カ月12万7000円で、宿泊費は無料。インドネシアで看護師として働いていたときの4倍だ。家族を支え、妹の大学授業料の足しにするため収入の3分の2以上を母国に送金している。

「外国で働いて家族を助けると決めていた。私がここにいるのは家族のためだ」とタンブンさんは話す。

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<国家戦略特区>方針決定 外国人医師を解禁…再生本部 (2013/10/18 毎日新聞)

政府は18日、全閣僚が出席する「日本経済再生本部」(本部長・安倍晋三首相)を開き、規制改革や税制措置を行う「国家戦略特区」の検討方針を決定した。外国人医師・看護師の雇用を解禁する医療特区や、2020年東京五輪を念頭に都心の高層ビルの建築規制緩和で都市再生を目指す都市再生特区など、6分野で特区を設ける方針を示した。政府は関連法案を来月、閣議決定し、今国会での成立を目指す。

焦点となっていた雇用分野については、解雇の要件を明確化して従業員を解雇しやすくする仕組みの導入を断念。雇用特区は設けるが、海外企業に日本の雇用ルールを説明する「雇用労働相談センター」の設置や、解雇に関する判例をまとめたガイドラインを作成するなど限定的なものにとどまる方向だ。

安倍首相は「日本が持つ可能性を最大限引き出していくために最も重要な取り組みが大胆な規制制度改革で、国家戦略特区はその突破口だ」とあいさつした。

医療特区では、外国人患者を受け入れる高度医療病院で外国人医師や看護師の業務を解禁。国内で未承認の保険適用外医薬品を併用する「混合診療」の拡充、医学部の新設についても検討する。

また、教育特区では、公立学校の運営を民間企業に委託することを容認する。農業特区では、地方特産の農畜産物を使ったレストランを経営する場合、農地での営業を許可するよう規制を緩和する。

歴史的建築物の活用特区では、重要文化財には指定されていない古民家などを宿泊施設やレストランとして再利用するための規制緩和を進める。

雇用分野については、甘利明経済財政担当相が18日の記者会見で、労働契約法で最長5年となっている有期雇用の契約期間について「10年以内(への延長)を考えたい」と説明。国家戦略特区内での緩和ではなく、法改正による全国一律の緩和を目指す。

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