トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2012年8月 第140号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

外国人介護士受け入れ 日本政府の方針依然定まらず‥ (2012/7/17 じゃかるた新聞)

経済連携協定(EPA)に基づく外国人介護福祉士の受け入れが、開始から約4年で岐路に立たされている。難関の国家試験に合格しながら事前の説明不足などが原因で帰国するケースが相次いだのに続き、最近では、日本語がうまくできず介護の現場から脱落した末に不法就労で摘発される事件も起きた。政府は、一定の日本語能力があることを入国要件とするなどの制度見直しを視野に入れるが、受け入れ抑制につながりかねず方針は定まらない。

「特別養護老人ホーム(特養)での仕事は厳しかった」。EPAの介護士候補者として来日したのにもかかわらず、愛知県高浜市の自動車部品工場で働いていたとして入管難民法違反(資格外活動)の疑いで6月、摘発されたインドネシア人の女(37)=強制送還=は、名古屋入国管理局の調べにそう供述した。

女が来日したのは2010年8月。研修後、4人の候補者と共に同年12月から沖縄県南城市の特養で働き始めたが、「クリスマスと新年を母国で迎えたい」と申し出て11年12月に一時帰国した。しばらくたって再入国したが、沖縄県には戻らず、今年3月から愛知県の工場で働き始めた。

特養職員は「勤務態度に問題はなかったが、他の候補者に比べて日本語の上達が遅く、悩んでいたようだ。相談してほしかったのに」と悔やむ。

EPA来日組は、介護士国家試験に合格するまで最長で4年間の滞在許可が与えられる。一時帰国前にあらかじめ申請しておけば再入国は容易で、制度を悪用しようと思えば今回のようなケースも起こり得る。

政府関係者は「制度の盲点を突かれた。不法就労は完全に想定外だった」と指摘する。入管担当者も「再入国申請時に資格外活動をするのかどうかを見抜くのは不可能だ」と漏らしている。

受け入れを仲介する国際厚生事業団(東京)によると、これまでにEPAで来日した介護士と看護師は計1562人。うち5人が在留期間中に失踪し、母国に帰国したかどうかも確認できていないという。

政府は、不正をなくすため入国要件厳格化の検討を始めている。しかし、厳しくし過ぎれば、外国人介護士の受け入れ拡大を目指す制度に逆行しかねない。

京都大大学院の安里和晃特定准教授(移民研究)は「政府内には受け入れに積極的な意見と慎重な意見の両方があり、方針が一貫していない。海外の介護人材をどう受け入れ、活躍してもらうのか。政府として明確な姿勢を示せなければ、合格しても帰国したり途中で諦めたりする候補者が続くだろう」と厳しく指摘している。

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日本大使館が第1陣看護師の帰国者向け就職説明会開く。求人、求職のニーズにずれ(2012/7/17 まにら新聞)

在フィリピン日本大使館は16日、比日経済連携協定(EPA)に基づき日本で就労した第1陣比人看護師のうち、国家試験での不合格や個人的な事情で帰国した人たちを対象に、比国内での再就職説明会を首都圏マカティ市内のホテルで初開催した。同協定に基づき日本で約3年間就労した比人看護師らの能力に日系企業や医療施設の関心が集まったが、求める人材と求職者のニーズがかみ合わない様子も見られた。

2009年5月に渡日した第1陣の看護師93人のうち、62人が不合格や個人的な事情で5月末までに帰国した。大使館が連絡を取ることができた50人のうち、30人が説明会に参加した。

会場が首都圏だったため、地方出身者の多くが参加できなかったほか、中にはすでにアラブ首長国連邦で働いている人もいたという。

雇用側は、大使館がフィリピン日本人商工会議所の会員企業や医療施設などに参加呼び掛けを求め、16社が集まった。求める職種は、医療施設や工場、工事現場、日系企業内の診療所での看護師、通訳、事務など。

大使館は比の厚生省にも掛け合い、国立病院などの説明会参加を呼び掛けたが、予算がないという理由で断られたという。会場に視察に訪れた労働雇用省、送り出し帰還の海外雇用局の職員らによると、現段階では同省としてEPA帰国者に対する支援は準備していない。

説明会は、会場に設置された机ごとに各企業の担当者が座り、求職者が自由に机を回って話をする形式で行われた。求める人材がいれば、その場で採用に向けた面接が可能だったが、採用に至るケースはなかった。

企業側の多くが、3年間日本で就労した比人看護師の日本語能力や、帰国者の状況に関心を抱いている一方で、「3年やったわりには日本語能力が思っていたより低い」「聞き取りはできるようだが、受け答えが難しそうだ」との声が上がった。

また、社内の共通語が英語のため、日本語能力は必要なく、海外での就労経験があるだけでは特別な強みにはならないと指摘する声も出た。

さらに、医療施設の担当者は、看護師資格取得者があふれ、雇用の受け皿が不足しているために、比国内の看護師の給与が、最低賃金レベルに低く抑えられていると説明。「日本で責任ある立場で職務経験があり、リーダーシップを発揮できるような人なら、雇いたいと思う。しかし、国家試験に合格しなければ日本では責任ある職務は経験できないし、合格者は当然、日本に残る」と話し、ミスマッチの状況を語った。

一方、参加した比人看護師は、高い給与水準と家族の生活水準を引き上げるため、サウジアラビアや日本での就労を選んだ人たち。「より良い機会があればどこへでも行く」という意識が強く、日本や日系企業での就労が、選択肢の一つにすぎない状況が垣間見られた。大使館の支援に感謝を示す一方で、「カナダにいる夫の元に行く手続きを行っている最中」「自分の事業を立ち上げようと思っている」と答えた看護師もいた。

大使館は、参加した看護師30人に、今後も病院や日系企業に関する情報や、国家試験の受験に関する情報を希望するかどうかなどを尋ねるアンケートを配布した。結果に沿って、希望者には今後も、雇用情報を配信したり、相談に応じるなど再就職・再受験支援を続ける方針。

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