トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2011年8月 第128号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

現地で日本語能力強化 EPA介護士 政府が受け入れ方針(2011/7/4 福祉新聞)

政府は6月21日の「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)・経済連携協定(EPA)閣僚会合」で、EPAに基づく看護師・介護福祉士の受け入れに関する基本方針をまとめた。看護師・介護福祉士候補者が現地にいる間に日本語の能力を強化する。日本での滞在期間中に国家試験に合格できず帰国した候補者についても、再度国家試験に挑戦できるよう学習支援する。

受け入れ交渉中のベトナムについては9月までに結論を出す予定だが、一定の日本語能力のある候補者を受け入れる枠組みを検討する。既に受け入れが始まっているインドネシア、フィリピンについては、協定改正せずに済む制度見直しを早急に行う。

政府は、この2カ国からの受け入れ数が減少しているのは、候補者の日本語能力に原因があると判断。母国語で国家試験を受験することや、介護福祉士国家試験の受験機会を拡大することなども検討する。

閣僚会合は2010年11月に閣僚決定された「包括的経済連携に関する基本指針」を受けて国家戦略担当大臣のもとに設けられ、今年6月までに人材受け入れの基本方針を策定することになっていた。

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4年目の看護師・介護士派遣 104人が日本へ出発 鹿取大使「重要な架け橋」(2011/7/5 じゃかるた新聞)

日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士受け入れ事業で、インドネシアで三ヵ月の日本語研修を終えた4年目の看護師・介護福祉士104人は4日、南ジャカルタの駐インドネシア日本大使公邸で鹿取克章大使主催の壮行会に参加した後、日本へ向けて出発した

日本では看護師候補者は大阪で、介護士候補者は横浜で海外技術者研修協会(AOTS)の6ヵ月間の日本語研修を受け、来年1月から各病院・施設での就労を開始する

壮行会にはムハイミン・イスカンダル労働移住相、EPAの首席交渉官を務めたスマディ・ブロトディニングラット元駐日大使、アデ・アダム・ノウ労働者派遣保護庁副長官、外務省のハムザ・タイブ・アジア太平洋アフリカ総局長。ハリダ・ミルヤニ商業相特別補佐官、保健省人的資源発展・向上局のバンバン・ギアトノ局長、ジャカルタジャパンクラブ(JJC)の兵頭誠之理事長、3ヵ月間の事前研修を請け負った国際交流基金のジャカルタ日本文化センターの金井篤所長らが出席した。

鹿取大使は「看護師と介護福祉士の方々は両国の重要な架け橋。この交流が日本とインドネシアの協力の重要なサクセスストーリーになるよう、日イ双方の関係者と緊密に連携していきたい」と強調。

ムハイミン労相は、日本でのインドネシア人の労働に関して「将来的には看護師、介護士にとどまらず、観光業などにも広がってほしい」と訴えた。

候補者代表のハプナリ・ウィディヤニングルムさんは「三月に地震と津波、原発の事故が起こり、この事業が続くのかと疑問に思ったこともあったが、日本が再生することを信じています。将来のため、家族のために日本語の勉強を頑張っていきましょう」と涙ながらに呼び掛け、キロロの「未来へ」を合唱し、最後が抱き合って日本での検討を誓った。

2004年の地震・津波で被害を受け、医療設備の整っていなかったアチェへ2007年にボランティアに行ったメリ・モニカさん(27)は「外国で働くのが夢だった。この事業は政府間のものですべて明白だから応募した」という。

飛行機に乗ったことがないというウィディ・ムハマッド・ヌグリさん(22)は徳島県の介護施設で働く。地震や原発事故の余波が続いていることについては「日本人も耐えている。私たちも同じように耐えるだけ」と力強く語った。

「象徴的な試み」

今年日本へ派遣されるのは事前研修を免除された一人を含む105人と、過去4年間で最も少ない。

候補者は国家試験に合格すればその後の滞在が認められるが、当初の最長滞在期間である3年目の今年までに国家試験に合格した第一陣の看護師候補者は104人中15人にとどまっている。

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外国人看護師らを定着しやすく(2011/6/29 日本経済新聞)

政府は経済連携協定(EPA)に基づく看護師や介護士候補者の受け入れについて、ベトナムを新たに対象とする方針を決めた。タイ、インドからの受け入れ要請は国内状況を踏まえ改めて検討するとした。

経済のグローバル化が進み日本が人口減少期に入るなかで、専門技術を持つ外国の人材の受け入れは欠かせない。看護師・介護士の確保は高齢化する社会の緊急課題でもある。広く人材の受け入れを進め、定着してもらうことが重要である。

2008年度からインドネシア、09年度からはフィリピンの看護師・介護士候補が1000人以上来日した。働き続けるには看護師は3年、介護士は4年以内に日本の国家資格を取らなければならない。難解な日本語が壁となり、09年度の看護師国家試験の合格者は3人だけ。日本人の9割が合格した資格試験で、外国人の合格率は1%にとどまった。

10年度試験から難しい漢字に読みがなを付けたり、病名に英語を併記したりしたが、合格者16人、合格率4%となお少ない。政府は一定の条件を満たせば1年の滞在延長を認めるとしたが、ハードルの高さに嫌気がさして帰国する人も相次いだ。

3年の実務経験が必要な介護士の国家試験には、来年1月の試験が初挑戦となる。日本人の合格率も約5割という難しい試験だが、4年の滞在期限で一度だけしか受験が認められておらず、多くの人が帰国を余儀なくされる可能性がある。

これでは形だけの開国と思われても仕方がない。高齢者施設で働く外国人の介護士候補は「明るく親身にお年寄りに接してくれる」と評判がいい。政府は現地での日本語教育強化や帰国した人たちの再挑戦支援などを打ち出したが、なお不十分だ。

候補者は母国で看護師資格を取った人、大学を卒業し介護研修を受けている人だ。意思疎通できる日本語能力は要るとしても、日本人と同じ試験を課す必要があるだろうか。

政府の試算では、看護職は11年度の141万人から25年度に172万〜205万人、介護職は140万人から213万〜244万人に増やす必要がある。国ごとに年数百人に限っている受け入れを増やすとともに、定着促進に力を入れるべきだ。

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65歳以上、過去最高の23% 30代女性未婚率も記録更新 国勢調査速報(2011/6/29 産経ニュース)

日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)が23.1%に上昇して過去最高を更新したことが、総務省が29日発表した平成22年国勢調査の「1%抽出速報」で分かった。30歳代女性の未婚率も過去最高を記録。15歳未満の年少人口の割合も13.2%に低下しており、少子高齢化がさらに深刻化していることを裏付けた。

速報によると、総人口は1億2805万人で前回調査(17年)から0.2%増だった。65歳以上の人口は2929万人となり、高齢化率は17年比2.9ポイント増。ドイツ、イタリア(いずれも20.4%)を引き離し世界最高水準を維持した。逆に、年少人口の割合はドイツ(13.5%)やブルガリア(13.7%)を下回り世界最低水準だった。

世帯構成別では、単身世帯(31.2%)が、夫婦と子供の世帯(28.7%)を初めて上回った。65歳以上の1人暮らしは457万人で、調査開始以来初めて400万人を突破。特別養護老人ホームなどの施設入所者は121万人に達し、17年の1.5倍に急増した。

出産適齢期後半にあたる30歳代から40歳代前半の女性の未婚率も過去最高となった。35〜39歳女性は22.4%で10年前(12年)と比べて8.4ポイント増。40〜44歳で7.9ポイント増(16.6%)、30〜34歳で6.8ポイント増(33.3%)だった。

1日発表の22年の合計特殊出生率は前年から0.02ポイント微増したが、「団塊ジュニア」が出産適齢期を迎えたことが要因とみられ、少子化の進行に歯止めがかかったわけではない。

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【4000号特集】高齢者ケア、外国人に依存:8割も、介護の質向上急務[社会](2011/5/27 NNA.ASIA シンガポール)

東南アジア諸国連合(ASEAN)全体としては生産年齢が多い「人口ボーナス」の状態にある中、シンガポールは20世紀末に高齢化社会に入った。リー・クアンユー前顧問相が辞意を表明した際に、「若い世代は高齢の世代の面倒をみるように」と表明するなど、指導者の世代が代わっても社会の高齢化の課題は残る。75歳以上の高齢者を抱える家庭の8割はメードにケアを委ねていると見られ、介護者の質向上が急務となっている。

永住権(PR)保持者を含めた65歳以上の人口は昨年の国勢調査で33万8,000人。非居住のシンガポール人を除いた居住者人口377万1,700万人の9%に達した。割合は日本の1980年当時に相当するが、今後20年でシンガポールの65歳以上は90万人、人口の20%程度に達すると予想されている。

シンガポール国立大学(NUS)社会学部で高齢化を研究するアンジェリク・チャン准教授などが作成中の調査報告書によると、75歳以上の後期高齢者を抱える家庭では8割がメードを高齢者ケアのために雇用していることが分かった。子どもたちが共働きで昼間に親の面倒をみる時間がないためで、メードの多くはフィリピンやインドネシア出身の外国人だ。

同准教授は、メードには介護に関する知識がないと指摘する。人材開発省は、高齢者をケアするメードに対し2日間の研修を実施しているが、期間が短すぎて効果がないという。民間企業による研修プログラムも一部提供されているが、雇用主が費用を負担することになる。一部の雇用主は、緊急時のCPR(心肺蘇生)などメードの介護技術向上を重要と考えるが、一般的に浸透しているわけではない。

また、老人ホームへの入居を待つ高齢者の需要が供給を上回り、長い順番待ちが続く。

同准教授は、現在作成中の政策提言の中に「介護者としてのメードの職務を適切なものにする必要がある」と盛り込むことを明らかにしている。正式な介護の研修を受け、資格を与えることが必要という。結果として賃金も上がるが、「家政婦ではなくプロの仕事とみなされるようにすべきだ」との見解だ。雇用主にとってコストは上がるかもしれないが、緊急時に何の知識もないメードに任せる危険性を回避するべきだと指摘している。

社会的には、メードが高齢者をケアしているという実態は受け入れられている。夫婦が共働きの家庭ではほかに有効な選択肢もなく、シンガポール人で手頃な価格の介護提供者がいない中では、メードの技量を上げることが最も現実的な対策となっている。

現在の高齢者、特に女性は就業経験がない場合が多く、中央積立基金(CPF)からの支給が受けられない。このため、多くは夫や子どもに完全に依存する形となる。また現在65歳以上の人口の8%は1人暮らしで、ボランティアに頼る生活を送る高齢者も1割程度に達していると予想される。

高齢者に対する政策は、一義的には家庭で家族が面倒をみることが基本。1995年に制定された父母維持法では、子どもが親を金銭的に支援しなかった場合に親が子どもを訴えることができる。政府は広告などを通じても、親をケアするように訴えている。

そんな中で成功した政府の高齢者ケアプログラムに、公営住宅(HDBフラット)に住む高齢者を対象に実施する「ご近所を知る」活動がある。近所に住みながら行き来のなかった人々を一組として、しばらく姿が見えないと思ったら、訪問して確認するなどの作業を行う。

■団塊の世代も高齢に

現在の高齢者の問題と、1947年〜1964年に生まれたベビーブーマー世代の多くが高齢者となった時の問題は大きく異なりそうだ。ベビーブーマー第1世代は来年に65歳を迎える。

人口ボーナスの恩恵を享受した、特に後期ベビーブーマー世代は、英語による高い教育を受けた世代で、保険や健康についての知識がある。喫煙もこの世代に急減した。

一方、現在の高齢者慢性疾患も大きな問題となっている。高齢化が急速に進行したため、国民に慢性疾患を予防する方法を周知できていなかったためで、血圧や糖尿、肥満などについて人生の後半にどのような影響をもたらすかについての周知活動の歴史は浅いという。

健康に気を配り医療が発達したことで、ベビーブーマー世代は寿命も延びるものの、結果として認知症も懸念される。この問題についての対処はまだ定まっていない。医療積立の利用についても、この世代はサービスに対する要求も高まるため需要を満たすことは容易ではないと考えられる。

慢性病を患う患者が、ベビーブーマー世代で増えるか減るかについては、議論が分かれている。高い教育を受け知識も豊富なことから、診断を受ける機会が増えると考えられ、慢性疾患の報告数が増えるという意見と、健康的なライフスタイルを心掛けるために疾患が減るというように見方は分かれている。

このほかに同世代の問題は、子どもが少ないことだ。合計特殊出生率はこの世代に劇的に減少。その後の75年から2人以下になった。このため、親の世代のように子どもに依存することはできない。子どもの婚期も遅れるなどして家族の支援が手薄になる。チャン准教授は、「介護を誰がするのかというのが今の研究の課題でもある」と語っている。

現在のメードによる高齢者のケアが続けば、90万人の高齢者に対し相当数のメードが必要になるということでもある。政府はどこにメード受け入れ上限を設けるかについて懸念し始めている。少子化の中で必要なくなった小学校を老人ホームに転換する案も出ている。実現すれば、家族の住居近くで老人ホームに入居することが可能になる。

広がる一方の高齢者人口は、シルバー市場の拡大も生む。ヘルスケア製品としてのベッド、家の中を携帯端末などで監視する装置、テレビ会議システムを使った遠隔医療なども試験が始まっている。親を介護する子どもにとっても、これらの製品やサービスを購入することは安心を買うことでもあり喜んで支出するという。このほか、健康な高齢者の旅行需要も大きいとみられている。

経済成長政策の一つとしてシンガポールが進める外国人材の起用。今月の総選挙で国民の職を奪うとの批判を受けたが、高齢者ケアの現場でも彼らなしには立ちゆかなくなっている。資格者としてインドネシア人とフィリピン人介護福祉士の候補者を受け入れ始めたばかりでハードルの高い日本と、資格を必要としないものの安全性などで懸念のあるシンガポール。お互いの政策を補完し合う必要がありそうだ。

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