トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2011年3月 第123号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

実習生派遣の経験生かし 看護師候補に日本語研修 (2011/2/21 じゃかるた新聞)

将来の外国人労働者の受け入れへ向けた試金石となる看護師・介護福祉士候補者受け入れ事業で20日、インドネシア人看護師候補者の第一期生にとって最後となる看護師国家試験を迎えた。難解な日本語などに苦しみ、昨年までの国家試験合格者はわずか3人。日本政府が在留期間や日本語研修期間の延長などの対策を検討する中、これまで技能実習生の派遣で日本語教育のノウハウを蓄積してきた「社団法人 日本・インドネシア経済協力事業協会(JIAEC)」が、看護師・介護士候補者向けの事前研修をインドネシアで始めている。

1967年に発足したJIAECは、毎年約500人のインドネシア人技能実習生を派遣。提携する企業で働くインドネシア人は現在静岡を中心に約1500人いる。

看護師・介護士派遣事業が開始して2年目の2009年、JIAECは財団を設立し、提携校での日本語の授業や政府が行っている日本語研修の前の数ヵ月間、候補者向けに事前研修を始めた。

JIAECインドネシア駐在員事務所の黒木義高所長は「日本語や日本の慣習など基本的なことを学んでおけば、候補者は病院や施設での仕事や国家試験の対策に力を注ぐことができる」と事前研修の意義を語る。

■規律やマナーも指導 日本びいきを増やす

「掃除が終わりました。報告します!」

午後5時過ぎ、1日のカリキュラムを終えた実習生たちの声が響く。背筋をピッと伸びばしてさっそうと会談を下り、職員とすれ違えば会釈をしながら「お疲れ様です。お先に失礼します。」道路を渡るときには指差し確認を忘れない。

南ジャカルタ・タンジュンバラットにあるJIAECの研修センターでは、技能実習生約70人と看護師・介護福祉士候補生として日本で働くことを目指し、受け入れ施設とのマッチング作業の結果を待つ13人が寮生活を送りながら日本語や日本の慣習を学んでいる。

日本生活へ向けて重要な準備だ。

部屋はきれいに整理され、夜8時以降は外出禁止と規律正しい生活を行う。「歩き方、座り方からすべて指導する。よく姑みたいって言われる。」が、「ここで厳しくしておかないと、彼らは後で悲しむことになる」と、黒木さんらは日本語だけでなく日本の生活で必要なマナーを徹底的に指導する。

黒木さんは「昔のインドネシアの内閣には日本びいきの人が多くいたが、今は少なくなっている。日本で働く人が増えれば、日本とインドネシアに人のつながりができる」と力を込める。

■外国人労働者受け入れ看護師派遣の衝撃は大

「日本の製品、技術への信頼は厚い」と、日本で働く意欲を持つ若者は多いが、技能実習生として受入れるのは165業種と限定。メードなどを受入れている中東やマレーシアに比べれば受け入れ人数は格段に少ない。

昨年、外国人研修制度は技能実習制度に改正され、1年目から最低賃金など労働基準法が適用されることになった。

反対意見もあり、現在3年間実習期間の延長は見送られたが、黒木さんは「外国人労働者受け入れの準備ともいえる」と話す。

一生に1回、3年間のみの技能実習に比べて、看護師・介護福祉士支援事業は合格すればずっと働くことができる。インパクトが大きいと黒木さん。「将来、日本人だけでは労働者が足りなくなる。自分たちが(病院や介護施設で)インドネシア人にお世話になるかもしれない。派遣事業は非常に重要なプログラム」と語った。

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インドとEPA締結介護士受け入れ2年以内に結論(2011/2/28 福祉新聞)

日本とインドの経済連携協定(EPA)が16日に署名された。日本にとって12番目のEPA締結で、今夏に発行する見通し。

合意事項には、「自然人の移動」も含まれており、インド人看護師や介護福祉士の将来の受け入れについては、遅くとも協定発行後2年以内に継続協議するとしている。

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外国人看護師「人の開国」に向け改革を(2011/2/28 朝日新聞社説)

インドネシアとの経済連携協定(EPA)によって3年前に来日した約90人の看護師候補について、政府は、その滞在期限を来年夏まで1年延長する方針を打ち出した。

先日あった今年の国家試験の合格発表は3月末だ。協定は、3年以内に日本の看護師の国家試験に合格しなければ帰国するよう求めている。落ちていればこの夏までに帰国になる。

国家試験には、床ずれを意味する「褥瘡(じょくそう)」といった漢字も使われる。外国人にとっては大変な難関だ。多くが帰国すればインドネシア国内から反発の声が上がりかねない。滞在期限の延長は当然だ。

フィリピンからの受け入れも2年前に始まり、あわせて約450人の看護師候補が来日した。昨年の合格者は3人だけ。挑戦が続けられるよう全員の滞在期限を延長すべきだろう。

そもそも問題は、EPAの目標を海外からの人材導入ではなく、日本のケア技術習得の研修にしていることだ。

これでは国境の障壁は下がらない。一人ひとりの技術や日本語能力、意欲を評価する道も閉ざされている。

彼らは母国の看護師資格を持つ。実務経験もあり、日本の看護現場で働くことを夢見てやってきた。しかし入国前に十分な日本語研修はなく、来日後の研修を経て、看護助手として働きながら言葉や看護学を学ぶほかない。

病院側の負担も重く。受け入れる人数が急減している。制度は機能不全に陥りつつある。政府は、難しい漢字にルビを振ったり、病名に英語名を併記したりするなどの試験改革をしたが、その効果には限界があろう。

制度を再生させるためには、日本の看護師不足を解消する一助にするという目的を加えた上で、根本から仕組みの見直しを行うべきだ。

看護師の労働実態は厳しい。日本看護協会によると、病院で働き始めた新人看護職の9%が1年以内に職場を去っていく。夜勤が多く、過労が医療事故につながらないか心配だ。

厚生労働省や看護業界は海外からの人材導入の必要性を認めていない。しかし、2025年には最大20万人の看護職が不足するとの研究報告もある。

年10万人もの離職者を減らし、資格を持ちながら仕事につかない60万人前後の最就業支援を急ぐのはもちろんだ。それと同時に、海外から人材を受け入れる道をつける必要がある。

欧米諸国はすでに、高度人材である看護師の獲得競争が起きている。今後、高齢化が進むアジアでも同じような競争は激化するだろう。その時になって手を打っても遅すぎる。

菅直人首相は「平成の開国」をうたっている。看護や介護といったケア人材についても、開国に向けた改革へと踏み出すべきだ。

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医師越境シューカツ″k給≠゚中・東欧から西欧へ(2011/1/26 朝日新聞世界発2011)

かつて社会主義国だった時代に高い医療水準を誇った中欧や東欧の諸国から、医師や看護師が逃げ出している。多くの国が欧州連合(EU)に加盟して人の動きが自由になり、高給や働きやすい環境を求め西欧などに移り住む人は増える一方だ。度重なる経済危機にあえぐ国々に、医師たちをつなぎとめる力はなく、医療界の地盤沈下は止まりそうもない。

月収5倍の例も

「収入は今の2倍になります。一緒に働きましょう!」プラハ中心部のイベント会場で昨年10月、チェコ初といわれる催しが開かれた。チェコ人医師を引き抜くため、ドイツとオーストリアの33の医療機関が参加した「医者の見本市」。2日間で医療関係者5千人以上が詰めかけた。

ドイツは日本と同じく慢性的な医師不足で、約5500人が足りないといわれる。催しを企画したチェコのイベント会社によると、参加病院は平均4人の求人を希望。ドイツ語が苦手な医師のために、2ヶ月の語学研修を用意する病院もあった。今年5月に次の開催が決まり、すでに展示ブースの約8割が病院の予約で埋まっているという。

チェコでは2004年のEU加盟以降、ドイツや英国などに移り住む病院勤務医が、毎年250人を超える。

彼らを西に向かわせるのは段違いの収入だ。チェコの医師会によると、中堅医師でもドイツで働けば、国内残留組の2倍以上に当たる3700〜4500ユーロ(約40万〜50万円)の収入が約束される。月収が5倍アップした新卒医師もいるそうだ。

影響をもろ受けるのが、人手が少ない地方の公的病院だ。チェコ西部の都市ソコロフでは昨夏、中核病院の内科医が相次いで海外に移住、診療科が閉鎖に追い込まれた。

別の地方病院で医長を務めるブラベッツ医師(55)は「患者が最大の被害者だが、薄給で週80時間以上も働かされる若い医師が逃げ出す気持も分かる。」と頭を抱える。

「ありがとう、私たちは出ていきます」――。

チェコの勤務医の労働組合は昨秋、こんなスローガンで、1.5〜3倍の賃上げや労働環境改善を政府に要求した。応じなければ、7千人以上が海外移住すると脅しをかけたのだ。労組の呼びかけに応じ、昨年末までに3800人以上が辞職願を提出したという。

緊縮財政を掲げるネチャス首相は、事態の収拾に懸命になった。

無料で豊胸手術・脂肪吸引看護師引きとめ躍起

患者を身近で支える看護師の海外流出も深刻だ。現在、チェコでは約6千人が足りないとされ、国内の医療機関でも争奪戦が激化している。

うちの病院で働けば、豊胸手術や脂肪吸引をタダで受けられます――。プラハにある整形外科病院が09年、こんなうたい文句で看護師を募集したところ、応募が殺到した。

民主化後、美容整形は一般市民にも受け入れられつつあるが、まだ高嶺の花。豊胸手術の場合、看護師の平均月収約700ユーロ(約7万8千円)の数カ月分もかかる。

美しくなりたい女心を逆手にとった手口だと女性団体などが反発したが、病院側は「携帯電話会社が従業員に通話料をサービスするのと同じ」。同規模の他の病院と比べても2倍近い、55人の看護師を確保できたという。

この病院では、採用した看護師に対するドイツ語と英語の研修も始めた。美容整形を受ける患者の95%がドイツから来る。診療費が西欧の半値以下という割安感と、社会主義時代から受け継がれてきた高い医療技術が人気だ。

報道担当のマーチン・ランバードさん(26)は「医師や看護師を西欧にとられても、患者は逆にチェコにやってくる。働きやすい環境を作れば、人材流出は止められる」と話す。

* チェコの医師

チェコの医師のうちほぼ半数を病院勤務医が占める。チェコ医師会によると、勤務医の月収平均は約5万コルナ(約22万円)。新卒医師の場合、時間外勤務が多いのに月収は平均約1万7千コルナ(約7万5千円)どまり。労働者全体の平均月収約2万3500コルナ(約10万円)を下回る。
経済協力開発機構(OECD)の07年までの統計によると、チェコの人口1千人当たりの医師数は3.6人で、OECD加盟30カ国中でも11位を占める。ドイツは3.5人で13位、日本は2.1人で27位。

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EPA看護師目指す留学生在留延長も合格は厳しく(2011/2/18 毎日新聞)

経済連携協定(EPA)に基づいて08年に来日し、看護師を目指して働きながら学ぶインドネシア人候補生について、政府は在留期間を1年間延長する方針を固めた。合格率が伸び悩む中、チャンスを拡大する狙いだ。本来なら20日の試験が最後の機会となるはずだった候補生からは歓迎の声が聞かれるが、受け入れ施設の担当者は「支援態勢を整えなければ、延長しても合格者は増えない」と指摘する。

「『軟産道』はソフト。分かる?」。岐阜県内で看護補助者として働きながら学ぶインドネシア人候補生6人が岐阜市内の病院で、出産についての講義に耳を傾けながら、電子辞書に見入っていた。フェライラワティさん(29)の電子辞書は3万5000円。「紙の辞書では間に合わないから」。電子辞書は、それぞれが毎月の給料をためて買った。ノフィームスティカニンルムさん(26)は電子辞書に加え、多機能携帯電話を使う。候補生の受け入れをあっせんする国際厚生事業団の支援サイトにアクセスし、インドネシア語、英語、日本語で専門用語の意味を確認する。

「この勉強をあと1年すれば合格できると思う。絶対受かりたい」

08年8月に来日し、岐阜県内で働く候補生は8人。1年延長の対象だが、政府は延長許可を成績優秀者に限るなどの条件を検討している。

候補生には1人当たり年間11万7000円、病院などの受け入れ施設には同29万5000円が国費から支出される。しかし、経費として認められるのは、紙の辞書や週1回の日本語教師への報酬などに限られる。電子辞書や看護師試験向けの専門的な講義は自費になる。このため、講義は施設の職員のつてで看護専門学校の教師らにボランティアで頼んでいるのが実情で、講義内容も各施設が独自に考案している。

岐阜県内の候補生の世話役を務める医療法人誠広会の長崎功美・人材開発相談室長は「教師が知っている英単語を使って手探りで講義している状態」と言う。「将来の日本の看護を考えるならば、しっかりとしたカリキュラムを国がつくってほしい。国が受け入れ施設に丸投げする現状が変わらなければ1年延長されても合格者は増えない」と指摘する。

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日比EPA:枠組みに限界介護ヘルパーで新日系人受け入れ国籍取得容易(2011/2/17毎日新聞)

日比経済連携協定(EPA)に基づく、フィリピン看護師・介護福祉士の求人が、受け入れ枠の半分にも満たない状況になっている。一方、日本での国籍取得が比較的容易な、日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれ、フィリピンで暮らす新日系人に、日本語を教え、ヘルパーとして日本の介護施設へ送り込む動きが本格化してきた。幼少時に別れた父親との再会と、日本で働くことを夢見る一人の女性の思いを聞いた。

マニラ市近郊のビルの一室で、21人の新日系人が日本語を学んでいた。日常会話が十分にできるレベルの日本語能力試験(N2)を目指し1年間、ここで学んだ後、日本の介護施設でヘルパーとして働くためだ。

「これで私の未来が開ける」。この教室で学ぶアリエガ・ツダさん(18)が語った。

新日系人をヘルパーとして日本に送り込む動きはこれまでにもあったが、まとまった求人先を事前に確保し、フィリピン国内で1年間、日本語を教えて送り出す取り組みは初めてだ。日本の福祉関連会社が1月から本格的に事業をはじめ、参加者を募集。100人以上の応募があり、アリエガさんは21人の中に選ばれた。

日本で飲食店従業員として働いていたフィリピン人の母と、建築関係の仕事をしていた日本人の間に生まれた。母が出産で帰国したため、アリエガさんはフィリピンで生まれ、一度も日本に行ったことはない。

両親は結婚はしていなかったが、3歳のころまで、父は頻繁にフィリピンに会いに来てくれていた。フィリピンの出生証明書には父の名が書かれ、父から届いた手紙が何通もある。しかしその後、連絡は途絶え、母は昨年、白血病で死亡した。父に抱かれて一緒に撮った写真が唯一、父の記憶をとどめてきた。

父からの仕送りが途絶えたため、三度の食事をとれないときもあった。学校では、「日本人の子」といじめられた。高校を卒業後は、病気がちの母と7歳下の義理の妹の学費を稼ぐ為、月2400ペソ(約4500円)の給料で、朝の4時から八百屋で働いた。手はガサガサで、いくつもの小さなひび割れが痛々しい。

日本行きのチャンスを人づてに聞き、面接に応募した。日本人の父親には認知されていない。送り主となるこの福祉関連会社の弁護士が、出生証明書や父から送られてきた手紙の住所を基に国籍取得を進めている。「父に会えたら、私をまだ愛しているのかを知りたい」と語り、涙をぬぐった。

国家試験、高いハードル看護師・介護福祉士の求人、目標割れ

新日系人を送り出す新たな動きの背景には、EPAの枠組みに限界があるためだ。EPAに基づく日本側からの求人は今年、介護士85人、看護師102人の計187人にとどまり、日比両政府が目標とした最大受け入れ人数の500人を大きく下回っている。

これについて、受け入れあっせん機関の国際厚生事業団は「日本の施設では、不景気で日本人の求職者が増え、外国人を受け入れる必要性がなくなったため求人が減った」と説明した。しかし、日本の介護施設関係者は「EPAは使い勝手が悪い」と指摘し、日本側のメリットの少なさを強調した。EPAで受け入れた介護士は、国家試験に合格しないと4年で帰国しなければならない。日本人と同じ試験を受けるため、漢字など日本語のハードルが高い。フィリピン人介護士が受験するのは13年からだが、EPAの枠組みで来日し、すでに受験資格を満たしているインドネシア・フィリピン人看護師の国家試験の合格者はわずか3人だった。恒常的に人手不足の介護施設にとって、育て上げた介護士が、数年で帰国するのは大きな痛手だ。

一方、新日系人の場合は、両親に婚姻関係が無くても、子供が日本の父親に認知されれば日本の国籍を取得できる。フィリピン人の母親も、日本国籍を取得した子供とともに、養育責任者として、日本で在留資格を取得できる。EPAとは異なり、ハードルが高い国家試験の介護福祉士ではなく、ヘルパーの資格で長く働くことができる。

フィリピンで暮らす新日系人の実数は不明だが、10万人以上はいるといわれる。新日系人の送り出し事業を手がける福祉関連会社の代表は利点について、「国籍取得を支援して日本で暮らせる基盤をつくることができるうえ、日本の介護施設の人手不足解消にも寄与できる」と話した。

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