トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2010年 7月 第115号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

(霧中の開国 EPAの現場から:2)「知識より学歴」に困惑(2010/05/25 朝日新聞)

「教室の中と外。ソトはSOTO(インドネシア語でスープ)です」。日本語講師のアエプ・サエフル・バクリさん(49)がジェスチャーを交えて語りかけると、14人の生徒からどっと笑いが起きた。

ジャカルタの南東約150キロ。バンドン市街の一角に、その日本語教室はある。

バクリさんは日本の施設を訪れた時に撮影した介護機器の写真を用い、わかりやすい授業に工夫を凝らす。経済連携協定(EPA)第1陣中44人、第2陣の60人が教え子だ。

バクリさんが教鞭(きょうべん)を執るインドネシア教育大は9月、EPAをにらんだ3年の介護コースを新設する。大学の日本語学科は、60人の枠に毎年300人以上が殺到するほどの人気。スナリヨ・カルタディナタ学長は「日本は高齢化で介護労働者の需要が高い。我が国の若い労働力に日本政府が門を開けてくれた」。

インドネシア最大規模のプルタメディカ看護大学(ジャカルタ)も今年、日本語コースを開設。担当者は「日本は優秀な若者を送り出す先として適している」と強調した。

世界第4位、27万人の日本語学習人口を誇るインドネシア。日系企業が多く、日本語は就職に有利とされてきたが、不況による採用減で、日本との関係を重視する人々はEPAに期待を抱いた。

1994年に約18万人だったインドネシアの海外労働者は、2008年には約75万人に増えた。民間のあっせん業者が出稼ぎ労働の多くを仲介する中、看護師や介護福祉士という専門性の高い業種を政府間の枠組みで受け入れるのは日本しかない。その信頼性も脚光を集める。

空回りも起きた。インドネシア海外労働者派遣・保護庁は昨年、職業訓練所に3カ月の介護講座を開設し、修了者245人に国家資格を付与した。

だが、日本側が介護福祉士の受け入れ条件のうち、看護学校の卒業資格を重視し、負担増に悩む施設側の受け入れ希望も激減。結局、75人しか派遣が決まらず、この取り組みはたった1年で終わる。

「香港や台湾へも介護ワーカーを派遣しているが、介護の知識よりも学歴にこだわるのは日本だけ」。同庁のハポサン・サラギ政府配置局長がため息をついた。

日本語習得の難しさが伝わり始め、政府はEPAの枠組みを永続させようと、心理テスト導入など優秀な人材を選抜する仕組みを第3陣から採用した。ただ、日本側から当初の受け入れ枠「上限1千人」の後の数字が明示されていないことに不安が募る。

相手のビジョンが見えぬまま、現地で日本語の合唱が繰り返されている。

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(霧中の開国 EPAの現場から:3)日本語能力、埋まらぬ溝(2010/05/26 朝日新聞)

2月初旬、マニラ首都圏・海外雇用庁(POEA)であった適性検査。あっせん事務を担う国際厚生事業団(東京)の職員が英語のアクセントを強めた。「最終目標は日本の看護師免許を取ること」

セリーナ・パンガニバンさん(36)は、ややしらけた表情で聴いていた。中東で7年間、看護師として勤務し、次の本命は米国。「言葉の問題もないし、外国人を平等に扱ってくれる」。ただ、米国側の受け入れが減り、仕方なく経済連携協定(EPA)で日本をめざそうとした。

人口の1割、約900万人が200近い国・地域で働くフィリピン。看護師が海を越えるのも日常茶飯事だ。渡航先はサウジアラビアや米国、シンガポール、台湾など多岐にわたる。フィリピンの国家資格をそのまま認めたり、渡航前に国家試験の受験機会を与えたり。各国が積極的に門戸を開く。

「公用語が英語であることが最大の武器です」
 フィリピン看護師協会のマリステラ・アベノハー専務理事は誇らしげだ。それだけに母国語を押しつける日本の姿勢が腑(ふ)に落ちない。試験に通らないと看護助手としてしか働けない待遇にも不信感が募る。「私たちのプロフェッショナリズムの問題。言語を重視するなら、看護師として働ける何らかの資格を与えたうえで語学試験を課せばいい」

ルソン島屈指のリゾート地、スービックにある日本人向け退職者村「トロピカル・パラダイス・ビレッジ」。経営者の高橋信行さん(61)には苦い経験がある。

日本の施設側から「即戦力のある人材を確保したい」との要請を受けて希望者に日本語を教え、計19人がEPAで施設側と契約した。それでも、日本語能力の高い人が選考途中で振り落とされる事態に何度も直面してきた。

POEAのビベカ・カタリグ副長官は「選考は先着順。フェアなシステムだ」と譲らない。POEAには日本語能力を判断する手だてがない、という事情もある。日本側は「フィリピンの選考方法に注文はつけられない」(同事業団)と繰り返すだけだ。

高橋さんは「日本語能力が全く考慮されないのでは、優秀な人材をみすみす逃がしてしまう」と憤るが、一方で、世界各国に人材を供給するフィリピンにとって、枠の小さな日本とのEPAはそれほど魅力的ではない、といったあきらめもある。「せめて日本側が選考基準の見直しについて協議すべきだが、本腰を入れる気配はない」と嘆く。

送り出し先進国と受け入れ後進国。そのギャップは一向に縮まらない。

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外国人医師受け入れ条件緩和/厚労省、高度医療で(2010/05/19日本経済新聞電子版ニュース)

厚生労働省は外国人医師の受け入れ条件を緩和する。がんや難病などの分野で高度な治療技術を持つ外国人医師の受け入れを認める。日本人の患者が海外に行かなくても、高度な医療サービスを受けられるようにする。ただ日本医師会(日医)などは「(日本人の)医師不足を解決するのが先決だ」と反発している。

厚労省は外国人医師が日本の医療を学ぶために来日する「医師の臨床修練制度」を見直し、適用対象を実質的に拡大する方向で検討する。「外国人医師が高度な医療技術を教授する場合や、世界レベルの共同研究で来日するケースも、この制度の利用を認める」という解釈を明確に打ち出す。

がんや心臓疾患、肝臓病、難病などの治療ができる外国人医師が対象になる見通し。今年度内に結論を出す。

日本の医師免許を持たない外国人医師が日本国内で診療するのは、医師法で禁止されている。外国人医師が日本の医療機関を通じて厚労相の許可を得れば、例外的に2年以内の滞在が認められる。ただ法律の文言があいまいで、「発展途上国の医師などが日本の医療を学ぶケースに限られる」との受け取り方が多かった。

いったん厚労相の許可を得れば、外国人医師が何度でも来日できるような制度改正にも取り組む。滞在期間(現行2年間)の延長も検討する。

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EPA/日本派遣へ、研修開講式/インドネシア(2010/06/09 毎日新聞)

日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士派遣事業で、3年目となる今年の候補者115人(看護師39人、介護福祉士76人)の日本語研修の開講式が8日、インドネシア・バンドンで行われた。今年からインドネシア人の日本語教師20人が参加し、実情に合った語学習得を促す。

式では候補生代表のアニタ・アフィア・リニさん(27)は「全員が国家試験に合格するよう頑張りたい」と抱負を述べた。

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インドネシア人看護師候補−残るチャンスに懸ける(2010/06/09 静岡新聞)

インドネシア人看護師候補者パルリアン・インダ・ヤティ(28)=通称リアン=の朝は忙しい。5時起きして弁当作り。7時すぎには東京メトロの駅から電車に乗り込み、教材を開いて日本語の勉強をする。

勤務先の東京都立広尾病院に着くと、8時半に引き継ぎを終え、病室へ向かう。日本人看護師とペアで、患者の体をふき、車いすを押し、食事の配膳(はいぜん)。患者の肩に手を回して「大丈夫ですか」と優しく声を掛ける。

−がけっぷち−
母国の総合病院で4年の看護師経験があるが、経済連携協定(EPA)に基づいて来た日本では国家資格がなく、あくまで“お手伝い”。以前こなしていた注射や点滴などの診療補助行為はできない。

昨年2月の勤務開始当初は「なんで」と戸惑った。「来日を決めたのは、技術の進んだ国で挑戦したかったから。でも、慣れてきて、見学も良い経験と割り切るようにした」と話す。

広尾病院の看護長、菅原田鶴子は「患者さんに積極的に話し掛け、『リアンちゃん』と呼ばれ慕われている人気者」と評価する。

今年2月に受けた日本の看護師国家試験は、不合格だった。外国人看護師候補者で合格したのは254人中3人。仲間の初の難関突破に、リアンは「一生懸命やればできる」と意欲を新たにしているものの、残るチャンスは来年の一度きり。がけっぷちに立たされた。

−□厚い言葉の壁−
しかし、言葉の壁は厚い。広尾病院では、隣接する看護学校で特別授業を受けられるし、日本人ボランティアによる語学の勉強会にも参加できる。その環境には満足しているが、難しい専門用語もあって、なかなか上達しない。「来日前に日本語の勉強を始めていればよかった」と、つい愚痴も出る。

EPAによる看護師候補者受け入れシステムには問題が多い。3年以内に国家試験に合格しないと、帰国を余儀なくされる。候補者への支援体制は医療機関によってばらつきがある。

実情が伝わるにつれ、来日希望者の熱は冷め、最初から資格をあきらめ短期間の出稼ぎのつもりで応募する人も。批判の高まりに、日本政府も国家試験で難解な用語を言い換えるなどの対応を検討し始めた。

でも、リアンは前向きだ。「来年は合格して、質の高い日本の看護サービスを吸収したい。仮に不合格でも、好きな日本で暮らし、貴重な経験を積めたので、決して後悔はしない」

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中国人医師受け入れ/県/長岡赤十字病院に仲介(2010/06/11 日本経済新聞)

新潟県は医師不足対策として、中国人医師を受け入れる。日本の医師免許を持たない外国人医師が、指導医の監督の下で一定の医療行為ができる国の「臨床修練制度」を活用する。中国人医師は8月以降、長岡赤十字病院(長岡市)で勤務する予定だ。

招くのはハルビン医科大学第四臨床医学病院医師の孫偉英氏。日本語が堪能な眼科医で、6月中に来日する。中国黒竜江省からの推薦を受け、県が同病院に受け入れを仲介した。

厚生労働省から許可が得られる8月以降、長岡赤十字病院の眼科で診察や検査などの医療行為をする。期間は来年5月31日まで。県は受け入れにかかる経費などを補助する。県医務薬事課は「医療スタッフの充実と勤務医の負担軽減が期待できる」として、今後、受け入れ拡大も検討する。

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行刷会議、規制改革の報告書了承(2010/06/15 日本経済新聞電子版ニュース)

政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は15日の会合で、規制改革に関する報告書について了承した。報告書は主に医療、環境、農業の3分野の約60項目の規制を取り上げた。農協設立の要件を緩めたり、農協への金融庁検査を可能にしたりするなど農業分野で進展が目立った。18日に閣議決定する予定だ。

3月に行刷会議の下に設置した規制分科会が7日にまとめた報告書を一部修正した。具体的には医薬品のインターネット販売規制について、緩和を求める分科会と維持を主張する厚生労働省の隔たりが埋まらず、項目そのものを削除した。

外国人看護師・介護士による資格試験の受験機会の拡大については「今後の検討課題とする」との当初通りの表現で落ち着いた。

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新成長戦略案/環境分野で50兆円市場/医療・介護280万人雇用(2010/06/15 東京読売新聞)

政府が日本経済の成長を目指して、6月中にまとめる新成長戦略案の全容が14日分かった。首相を委員長とする国家戦略プロジェクト委員会を設置し、2020年までに、海外への鉄道や原発などのプラント輸出を含め、19・7兆円の社会基盤整備の市場創出を目指すことが柱だ。

戦略案は、成長分野を「環境・エネルギー大国」「健康大国」など7分野に分けて、それぞれに、おおまかな目標年度を示した工程表を付けて戦略の概要を説明している。

環境・エネルギーの分野では20年までに、50兆円超の新規市場を開拓し、140万人の新たな雇用を生み出す。そのために、13年度までに「環境未来都市整備促進法」(仮称)を制定するとした。同法は、太陽光発電やエコカーの普及など環境関連の投資を促進するために選定した都市に、規制改革などの政府支援を行うことが目的だ。さらに、この都市に採用した政策ノウハウや社会基盤などを全体としてパッケージにして、中国、インドなど新興国に売り込む方針を盛り込んだ。

医療・介護など健康分野では20年までに281万人の雇用創出を目指す。そのために、日本の最先端医療を受けるための「医療滞在ビザ」を創設、外国人患者を50万人受け入れ、年間約1兆円の経済効果を目指す。患者が希望すれば未承認の先進医療でも受けることができるように規制を見直す方針も盛り込んだ。

また、観光・地域活性化分野では、法人税の優遇などを実施する「国際戦略総合特区」(仮称)を11年度中に指定すると明記、1か所あたり6000億〜7000億円の民間投資を呼び込むことを目指すとした

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新成長戦略/外資のアジア拠点誘致/来年度から/補助金や税優遇。(2010/06/17 日本経済新聞)

◇法人税率 「主要国並みに下げ」
政府は月内に閣議決定する新成長戦略で、経済成長に貢献する21の政策を「国家戦略プロジェクト」として打ち出す。日本に外国企業のアジア本社や研究開発拠点を誘致するため税制など外資優遇策の2011年度の新設を検討。国内外企業に対する法人実効税率は現在の約40%から「主要国並みに引き下げる」と明記した。原子力発電などのインフラ輸出へ首相がトップの特別委員会の設置も盛り込んだ。

新成長戦略では「環境・エネルギー」や「健康」など7分野を柱として個別の政策と具体的な成果を例示。政策の数が約250と多いため、力を入れる21政策を選び優先順位を明確にした。

同戦略は、日本をグローバル企業の「アジア拠点」とするため、新たな進出企業への優遇を掲げた。一定期間の法人税減免や入国手続きの簡素化、大型投資への補助金などを柱とする。進出済みの外資による研究開発拠点の新設なども優遇する方向で検討する。

年内に優遇措置の具体策や対象となる企業の認定制度づくりに着手。11年度からの開始を目指す。これによって外国企業の対日直接投資を倍増し、雇用を現在の75万人から20年度に200万人に増やす目標も示した。

法人実効税率について、成長戦略は「主要国並みに引き下げる」と明記した。租税特別措置など抜本的に見直し、課税ベースの拡大で財源を確保。段階的に税率を下げる。時期は明示していないが「緊急の課題」と位置付け早期実現をにじませた。閣議決定文書に明記されることで、実現する公算が大きくなった。

インフラ輸出拡大に向けて首相をトップとする「国家戦略プロジェクト委員会」を設置し、重点分野やトップセールス手法などを議論する。大使館などに「インフラプロジェクト専門官」を指名し、案件を発掘する。成長力を底上げするため、官民の研究開発投資を国内総生産(GDP)比で現在の3%台から20年度までに4%以上に引き上げる。総合科学技術会議は「科学・技術・イノベーション戦略本部」に改組し、省庁横断で行動計画などをつくる。

保育所と幼稚園をひとつにまとめる「幼保一体化」の実現も盛り込んだ。保育所の利用条件は撤廃する。利用者が保育所と直接利用契約を結べるようにして施設間の競争を促す。17年までに待機児童を解消する。

医療分野では、最先端の治療を患者が受けやすくするため、大学病院などで先進的な治療を希望する場合、入院代や検査費用などの基本部分に保険適用を認める。

これらの対策をテコに20年初めまでに訪日外国人を年2500万人に増やす。20年度までの平均で名目3%、実質2%以上の経済成長を実現し、失業率を早期に3%台に引き下げる青写真を描いている。

(「国家戦略プロジェクト」の概要)
○法人実効税率を主要国並みに下げ
○日本に新規投資する外資を2011年度から税制や入国管理で優遇
○アジアへのインフラ輸出拡大
○先端医療分野の規制を緩和
○「医療滞在ビザ」を導入
○アジア地域で自由貿易圏を拡大
○「国際戦略総合特区」を創設
○羽田を24時間の国際拠点空港に
○祝日法改正などで休日を分散
○幼稚園、保育所の一体化推進。保育所の入所要件は撤廃
○あらゆる金融商品を取り扱う「総合取引所」を13年度までに創設

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看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN)2017年 1月〜11月号

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