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ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

明日への選択/’09衆院選/人手不足の看護・介護現場/負担覚悟の外国人雇用 (2009/08/10 中国新聞朝刊 23ページ)

◇施設「国は対策丸投げ」
昼すぎの病室。「召し上がりましょうねー。口を開けてくださーい」。高齢者の食事介助をするのはインドネシア人のトジ・ピオさん(28)。流ちょうな日本語で優しく語り掛ける。

トジさんが、同じくエルナ・スリ・ハルディニさん(27)と廿日市市の阿品土谷病院で看護助手として働き始めて5カ月になる。母国で看護師経験があり、明るく温かな2人は患者の評判もよい。入院している山木戸ユキエさん(71)は「日本語がとっても上手。明るくて私も楽しくなる」。

インドネシアと日本の経済連携協定(EPA)に基づき、医療、介護現場での本格的な外国人労働力の受け入れが始まったのは昨年8月。第1陣計208人のうち、22人が半年間の研修後、中国5県の病院や介護施設の計11施設に配属された。

「よく頑張ってくれる」。阿品土谷病院の百々真智子看護部長はトジさんとエルナさんの働きぶりに不満はない。ただ、「問題は国家試験に受かるかどうか」と気をもむ

◇少子高齢化響く
EPAでは、看護師は3年、介護福祉士は4年以内に日本の国家資格を取らなければ帰国を迫られる。2人は月−水曜は院内で約2時間半、木、金曜は中区の語学学校で学ぶ。医療用語の難解な漢字と格闘する毎日だ。

病院を運営する医療法人あかね会は2人に日本人の看護助手と同等の賃金を支払い、語学学校に行く費用も負担する。“投資”をするのは、看護師の人手不足のためだ。

少子高齢化の中、看護師や介護福祉士の不足は深刻さを増すばかりだ。国の試算では、看護職員の必要数は2010年までの4年間で9万2千人増えて140万6千人に、介護労働者は11年度までの3年間で30万人増えて195万人に膨らむ。しかし、労働の過酷さなどもあり十分な数を確保できない。あかね会でもこの数年、看護師の採用人数は希望の半数以下にとどまる。

◇「経済連携」と国
EPAの受け入れについて、国は人手不足が理由ではなく「経済上の連携強化のため」(厚生労働省)と説明する。あかね会の今一浩総務部長は「国は、教育の費用も手法も施設に丸投げ。負担が大きすぎる」とため息をつく。

広島県北広島町の特別養護老人ホーム正寿園でも、昨年1月末から介護福祉士を目指すインドネシア人女性、アナ・グストリアニさん(28)が働いている。「アナさーん」。入所者が呼ぶ声には親しみがこもる。

施設を運営する社会福祉法人みぶ福祉会はアナさんの献身的な仕事ぶりを高く評価。今後さらに、インドネシアとフィリピンの男女計4人の受け入れを計画している。

「彼らに働き続けてもらうため、国は国家試験対策の支援をしてほしい」と正寿園の水晴男施設長は求める。「日本人であれ、外国人であれ、人を育て、働き続けられる環境をつくらんといけん。今、力を尽くさんと、現場はもたんです」と力を込める。

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「治療・健診で来日」/受け入れ拡大探る/経産省が協議会/官民で体制整備(2009/07/31 日本経済新聞 朝刊 3ページ)

治療や健診を目的に来日を希望する外国人を積極的に受け入れるかどうか――。そんな議論が日本でも始まる。「医」の国際化は医療ビジネスのすそ野を広げる可能性がある。ただ地域医療格差など国内問題への対応が先決だとの声も残り、厚生労働省を差し置いての動きとなる。

外国人受け入れの体制づくりに動くのは経済産業省だ。国立がんセンター中央病院や慶応義塾大学病院など約10の医療機関と共同で、今秋に「国際医療サービス推進コンソーシアム(協議会)」を発足。ごく少数にとどまる医療目的での来日を増やすための受け皿づくりに動き出す。

協議会は(1)健診(2)健診に関連した治療(3)先端医療――の3ケースを想定。先端医療の分野では内視鏡による手術、高度ながん治療、人工関節のインプラントなどの需要を見込む。旅行会社や宿泊施設、通訳で構成する「国際医療サービス支援センター」を発足させ、観光なども組み合わせた形で外国人に来日を勧める方針だ。医療事故などの訴訟リスクに備えた保険の加入も検討する。

◇アジアが先行
アジアではシンガポール、インド、タイなどが外国人向けの医療サービスに積極的に取り組んでいる。韓国は今年5月から治療目的で外国人が滞在するための「メディカルビザ」の発給を開始した。安価で迅速な医療を求め、2006年にアジアを訪れた外国人患者は180万人に達した。

日本の医療インフラの水準は世界屈指だ。発症直後の患者のための病床数や磁気共鳴画像装置(MRI)の設置件数は主要国の中で飛び抜けて多い。費用も欧米などに比べて割安。例えば盲腸で手術を受けて退院するまで費用は日本の公定価格では30万〜40万円程度。AIU保険の08年の調査によるとニューヨークでは216万円、ロンドン151万円。香港(90万円)や上海(68万円)などよりも安い。

◇積極論と慎重論
国際医療福祉大の開原成允教授は「外国人患者が増えれば医療サービスの向上も期待でき、日本の患者にとっても良いこと」。日本の医療費は年1兆円規模で増え続けているが、外国人受け入れで得た「外貨」を医療現場に投入できれば、日本の医療制度の下支えになる可能性もある。

とはいえ日本では外国人受け入れに関心を示す病院は一部にとどまる。外国語を話す職員の配置など負担を迫られるからだ。医師不足などの問題を抱え「日本人向け医療体制を充実させることが先決」との意見も多く、厚労省も慎重姿勢。同省は今回の協議会には関与しない立場だ。医療サービスの国際化に腰を据えて取り組むべきかどうか。本格展開にはなおハードルが多い。

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さあ、弾けるぞ 阿波踊り開幕 (2009/08/13 朝日新聞)

徳島市の阿波踊りが12日開幕し、浴衣や法被姿の「阿呆(あほう)」たちが、笛や鉦(かね)、太鼓のお囃子(はやし)に合わせ、7カ所の演舞場で舞を披露した。15日まで連日、250の「連」の踊り子計約3万人が街に繰り出し、各演舞場をめぐる。

介護福祉士をめざして来日し、徳島県内2カ所の特別養護老人ホームで働いているインドネシアの若者8人も参加。ディディン・セティアディアナさん(23)は「ジャワの伝統舞踊に似ていて覚えやすかった」と話した。

高速道路の「上限千円」もあり、実行委員会は期間中の人出を昨年より7万人多い140万人と見込んでいる。

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医療・介護は「新たな成長産業」―民主マニフェスト確定版 (2009/08/13 医療介護キャリアブレイン・ニュース)

民主党は8月11日、党本部で記者会見を開き、7月27日に発表したマニフェストから5か所を修正した「確定版」を発表した。このうち社会保障にかかわる修正は2か所。マニフェストの5本柱の「雇用・経済」の項で、医療・介護を「新たな成長産業」と位置付けたほか、不妊治療への支援を拡充する方針を示している。

直嶋正行政調会長は会見で、「基本的な政策や考え方は変わっていない」と繰り返し強調。「全国でのマニフェスト説明会などで有権者から受けた質問や意見を踏まえて、一部をより丁寧な表記に補強した」とした上で、修正個所について説明した。

それによると、確定版では「雇用・経済」の項に「日本経済の成長戦略」を追加。この中で、医療・介護を「新たな成長産業」と位置付け、「医療・介護人材の処遇改善などにより、魅力と成長力を高め、大きな雇用を創出する産業に育てます」と明記した。

医療・介護人材の処遇改善については既に、7月27日に発表したマニフェストの中の「政策各論」で、▽医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める医療機関の診療報酬(入院)を増額する▽認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる―などとしている。

また、「政策各論」の「子育て・教育」の中の「出産の経済的負担を軽減する」具体策として、「不妊治療に関する情報提供、相談体制を強化するとともに、適応症と効果が明らかな治療には医療保険の適用を検討し、支援を拡充する」と明記した。

これは7月27日に発表したマニフェストには入っていなかったが、23日に発表した「政策集インデックス」では明記している。直嶋政調会長は会見で、「特に一般有権者からの問い合わせが数多くあり、あえて今回、一文を入れることにした」と説明した。

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[この人この一言]インドネシア人青年の映画を作った/井上実由紀さん32(2009/08/12 西部読売新聞 夕刊 1ページ)

◆愛されて育ったから、彼は命をなげうった
異国の地で、なぜ命をかけて中学生を助けたのか――。映画撮影は、その答え探しだった。

主人公はインドネシア人漁業研修生エンダン・アリピンさん。21歳だった2007年8月、宮崎県日向市の海水浴場で、おぼれた少女2人を助けようと海に飛び込み、命を落とした。

このニュースを聞いたのはインドネシアの日本語学校で教師をしていた時。学生時代に途上国を旅し、「いつか日本で学んだことを、途上国の子どもに無償で教えたい」と決意、27歳でインドネシアへ渡っていた。

物があふれる日本に生まれ、教師になる夢をかなえた自分。それに比べ、エンダンさんは貧困の中、日本に来るだけでも相当な苦労を重ねたはず。両親の期待を背負い、お金を稼いで母国に戻るため頑張っていた。

涙がこぼれた。「日本人として遺族にお礼の気持ちを表現したい」と映画化を思い立った。

まったくの素人だったが、知人の協力を得て、インドネシアと宮崎で5か月間、両親や職場の人たち計34人に取材。収録時間は48時間に及んだ。

浮かんできたのは、誠実でまじめな人柄。「彼は多くの人に愛されて育った。だから命をなげうって中学生を救うことができた」。ほとんど泳げないのに、ためらうことなく飛び込んだ気持ちが分かった気がした。映画「マス・エンダン」(マスは青年男性への敬称)は昨年3月に完成。日本とインドネシア計約40か所で上映、5000人を超す人が訪れた。

「映画を通じ、『人はこんなにもいいことが出来る』と感じてほしい」と願う。

◇青梅市出身。小学校教員を経て、インドネシアへ。現在は都内の小学校で、社会に適応できない子どもを対象とした特別支援学級の臨時教員。エンダンさんが通った小学校に備品を贈る活動などもしている。

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インドネシア人看護師、来日は予定の6割弱(2009/07/27 医療介護キャリアブレイン・ニュース)

インドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、今年11月の来日が予定されているインドネシア人看護師・介護福祉士候補者が370人にとどまったことが、7月27日分かった。インドネシアとのEPAでは、2年間に看護師候補生400人、介護福祉士候補者600人を上限として受入れるとしていたが、昨年の208人と合わせて578人となり、予定の6割弱にとどまった。

国際厚生事業団(JICWELS)によると、今年は最大で792人(看護師候補者296人、介護福祉士候補者496人、以下同)の受け入れが予定されていたが、インドネシアではこれを上回る募集があったという。

一方、日本側の受け入れ施設の募集では、看護師候補者98施設236人分、介護福祉士候補者では100施設241人分の計477人分の就職先が確保されるにとどまった。

その後、6月から7月にかけて実施されたマッチングの結果、最終的に今年は370人(179人、191人)の受け入れが決定した。受け入れ施設数はそれぞれ83施設、86施設だった。

候補者らは7月13日から4か月間、インドネシア国内で日本語研修を受ける。その後11月に来日し、日本国内で2か月間の研修を受け、来年1月から各施設で就労・研修を開始する予定だ。

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日インドネシアEPA:2年目、看護師候補ら350人研修  日本に「期待」と「不安」(2009/07/14 毎日新聞)

日本とインドネシアの経済連帯協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士派遣事業で、2年目にあたる今年の候補者350人の日本語研修が13日、インドネシア・バンドンで始まった。

事業初年度だった昨年は、候補者らが日本に渡航した後に半年間の研修が行われたが、今年は経費節減などの理由から、まずインドネシアで4か月間研修し、日本に派遣後、さらに2か月間行う形に変更された。

EPAによる看護師・介護士候補の受け入れにあたり、日本側が設けた上限は2年間で計1000人。昨年は十分な告知・募集期間がなかったことなどが影響し、日本に渡ったのは208人だった。今年は世界的な経済危機の影響もあり、約800人の枠に対して、日本側の求人は467人にとどまった。

今年の候補者の多くは、インターネットなどを通じて、現在日本の病院・介護施設などで働いている昨年の候補者から職場環境などの情報を得ており、目的意識も高い。介護士候補のユディ・ハリ・クルニアワンさん(22)は、「このチャンスが得られてうれしい。去年行った知人の話を聞く限り、節約すれば毎月700万ルピア(約7万円)くらい貯金できるかもしれない」と話す。

しかし一方で、「職場の日本人が、すぐに心を開いてくれないと聞いた。」(女性看護師候補)、「日本ではあらゆることがきちんと決められ、インドネシアのようにのんびりしていないようだ。新しい環境は自分にとって大きな挑戦だ」(男性看護師候補)などと不安がる声も聞かれた。

日本側関係者は「今のところは意欲のある優秀な人材を確保できている。だが、日本人でも合格が難しい国家試験を課していることなどが応募の動機をそぎ、長期的には他国に人材が流れる可能性もある」と話している。

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「階層」のない外国人受け入れのために/宮崎和加子さん「ガルーダ・サポーターズ」共同代表・事務局長(2009/08/15 医療介護キャリアブレイン・ニュース)

インドネシアとの経済連携協定(EPA)により、昨年は208人の看護師・介護福祉士候補者が来日した。日本語習得や受け入れ機関の支援体制などの問題が指摘される中、日本で奮闘する候補者らに寄り添った支援を行おうと今年6月に設立されたNPO「ガルーダ・サポーターズ」は、インドネシア語での電話相談やニュース発行のほか、支援内容を検討するため、受け入れ機関や候補者に対するアンケート調査なども実施している。現在の候補者らの様子や今後の受け入れに向けた課題などについて、同団体の共同代表・事務局長の宮崎和加子さんに聞いた。(木下奈緒美)

◇「来てよかった」と思える仕組みづくりを

質問−「ガルーダ・サポーターズ」設立のきっかけ、経緯を教えてください。

EPAをフィリピンと日本政府が締結したのが2006年9月。その時に初めて、日本の看護・介護という分野に外国の方が正式に入ることが決まりました。わたしはその時からの報道をずっと見ていて、どうもわたしたち看護や介護の現場の者たちと実感が違うなと思いました。一緒に働いていく者たちがどう思うのか、どうしてほしいのかをきちんと発言していかないと、現場はめちゃくちゃになってしまうとすごく感じました。この問題は日本のこれからの看護・介護の現場にとても大きく関係してきますので、きちんと勉強し、実態を把握して、現場の立場から発言していかなければいけないと思いました。来る側の方たちの事情をきちんと理解するため、まずフィリピンに07年11月に行き、それから08年7月にインドネシアに行って、その国や国の生活習慣、看護・介護の考え方、来る方たちはどう思っているのか、国民はどう思っているのか、どういう気持ちで送り出すのかを取材したというのがまず経過にあります。たくさんのインドネシア人にお会いし、彼らが日本に来た時に、「来てよかった」と思えるような仕組みづくりに協力しなければいけないと思いました。EPAで候補者の方たちが来ることに対する意見はいろいろありますが、実際に来た方たちには何の罪もありません。現地に行ったわたしたちが先頭に立って何かやらなければいけないと思い、「ガルーダ・サポーターズ」をつくろうということになったわけです。来日した方たちが日本社会で大変な思いや嫌な思いをして落ち込んだ時に、彼らの本音をちゃんと聞ける団体になって、彼らの言葉を自分たちで日本社会に表現できるようなサポートをしていきたいと思いました。一方で、わたしたちは来日したインドネシア人候補者の方たちを守るという意味でこの団体をつくっていますが、誰から守るかというと、受け入れ病院・施設からと思われかねないところがあります。

質問−病院・施設側も、候補者らがずっと日本で過ごしてくれるような環境をつくりたいという気持ちはありますよね?

あります。しかし、(各病院・施設の)給与や労働条件などが比較されるわけです。(相談を受け付ける)SOSコールでも、病院がこうしたどうしたと言われるかもしれない。わたしたちはなるべく候補者の方たちのために活動するわけですが、受け入れ機関同士の情報交換の場をつくるなど、病院・施設を守るための支援もしていくようにしています。

◇日本語習得に制度的支援を

質問−来日した候補者らは現場への対応に困難を感じていますか?

インドネシアでは「介護」教育がありません。また、日本とインドネシアの「看護」の中身は違うので、複雑になっています。日本の看護師の二大業務は、診療補助業務で医療行為を補佐することと、療養上(日常生活上)の世話です。日本の教育では、療養上の世話のところにすごく専門性があって、患者さんが元気に生き生きと生きていくことをサポートする独自のケアをたくさん教わります。そのケアの部分は介護と似ているため、看護と介護が分かりにくい部分があるのです。ところがインドネシアでは、「社会的な介護」である、教育を受けた人が介護をし、身の回りの世話をするという発想がまだありません。第一陣で来た方は、看護は教わっているのでそれなりにできると思いますし、「こういうことを介護というのか」と理解できるのではないかと思います。ただ、全員が(現地の)看護師資格を持っていて、上手に注射も点滴も救命救急もできるからこそ、日本の医療・介護現場では資格がなくてできないということにストレスを感じていると思います。

質問−言葉など生活環境の変化で悩んでいるという声はやはり多いのでしょうか?

悩んでいることを3つ挙げるとすると、▽給与・労働条件に対する疑問・不満▽仕事の中身▽日本語の習得−です。特に、国家試験合格や日本語の覚え方に対する不安や苦悩があります。候補者の方たちは、一生懸命日本語を勉強しても、国家試験は受かる見込みがないような難しさだと言います。そうすると、何のために受けるのだろう、受けなければいけないのか、受からず3年間でインドネシアに帰った方がいいのではないかと思うわけです。それで勉強のモチベーションが下がり、受け入れ病院・施設側からも、やる気がないように見られてしまうことになります。

EPAでは、現場に入ってからも各病院・施設で日本語学習をすることになっています。しかし、病院・施設によって大きな格差があって、日本語の勉強をしているのに正規の給料をもらっているという人もいれば、勉強は労働ではないため、給料が半分に減る人もいるわけです。そういう(日本語学習の)位置付けが、病院・施設によってまちまちなことがあります。そのため、候補者の方たちは、あちらは待遇がいい、自分は悪いと悩む傾向があります。給与も、資格が取れないうちは補助者・無資格者になるので、ぐっと下がります。その額は日本人の補助者と同じかもしれませんが、日本人の補助者も安いですから、彼らの期待していた額にはなりません。資格を取ったら(給与が上がる)といっても、資格を取れるめどが立たない。それですごく悶々としてしまうということがあるようです。

質問−受け入れ後の支援体制は各病院・施設任せになっていて、それぞれ全く違うのでしょうか?

そうですね。受け入れ病院・施設もすごく努力をして、一生懸命受け入れてくれているのはよく伝わります。ですが、実際はどう受け入れていいのか分からないようです。横の連携や情報も少なく、全部任されても「どうやるのか」と受け入れ機関が思ってしまう実情があるのではないでしょうか。どこの病院・施設も、もう少し政府に支援してもらわないと困ると言っています。日本語教育を継続的にどのようにすればいいのか、それに伴う日本語教師をどうするかなど、そういうことも含めて政府がもう少し親切に制度を整えてくれないと、受け入れ病院・施設の負担が大きいと思います。

質問−資格を取って長く働いてほしい受け入れ機関と、いずれは国に帰りたいと考える候補者らの間には、「意識の乖離」があるように感じますがどうですか?

あるところとないところがあると思います。わたしが聞いている範囲で言うと、(受け入れ機関のスタンスは)大きく2つに分かれるのではないかと思います。その一つは、お金が掛かっても国際貢献だから快く受けて、彼らが健やかに日本で暮らしていけるようにお金を掛けてあげようじゃないかという意識を持って受け入れているところも結構あると思います。片や、現場で人が足りないから長く残ってほしい、そのための先行投資という思いで受け入れているところもあると思います。

質問−最終的には、やはり医療現場としても国家試験に受かってほしいという気持ちがあると思います。国家試験の問題を変えるといった働き掛けは予定していますか?

国家試験を易しくすることがいいとは思っていません。来ている方たちのことを考えると、(易しく)変えればいいと思うかもしれませんが、日本で一緒に働く者や、看護・介護を受ける側からすると、国家試験に受かるくらいの力がない方にいろいろされるのはすごく心配です。看護・介護の仕事はコミュニケーションがベースにある仕事で、それができなければ仕事になりません。例えばドクターの指示を耳でちゃんと聞いて、目で見て、正確に理解できなければ、(患者の)命にも関係します。チームで働く時には、最低限日本の国家試験に受かるくらいの力がなければ一緒に仕事がしにくい。そうなると、日本の看護師が「上」で、外国人の看護師が「下」という位置付けの「階層社会」になっていく気がします。それは絶対に嫌なのです。そのような「待遇」をつくってしまうと、働く者もすごく働きにくいし、何よりも受ける国民にとって不利益になるのではないかとわたしは思います。

候補者の方たちは、看護の技術はできるわけですから、日本語を覚えてくださればいいわけです。そのために日本が国として支援すべきことがあるのではないかと思います。「ガルーダ・サポーターズ」としては、(候補者への)アンケート調査の結果や受け入れ病院・施設の意見も踏まえて、制度について提言していきたいと思っています。今のこの制度では、受け入れ側にも来ている方たちにも、すごく無理があります。努力はしなければいけませんが、この制度を無理のないものにするためにどうするか、という提案をしていきたいです。

◇現場の人手不足解消は「検証」から

質問−「ガルーダ・サポーターズ」の活動は、日本の看護・介護をよりよくしていく政策に結び付きますか?

今回のEPAでは、インドネシア人候補者の方たちは日本の現場で看護師、介護福祉士が不足しているから来たわけではありません。しかし実際は、日本の看護・介護の現場はすさまじい人手不足なわけです。現場は大変ですが、看護師、介護福祉士たちの労働条件や給与は決してよくありません。この問題をどうするかが、日本のこれからの高齢者・患者たちがどうなっていくかに大きく関係しています。その時に何をしなければいけないかというと、まず外国から人を呼ぶことではありません。今いる日本の看護師、介護福祉士、介護に携わっている専門職といった方たちの労働条件と、給与を含む待遇をよくすることをまず真っ先にやらなければいけません。仕事そのものは、とても魅力あるプロの仕事です。日本で仕事を求めている方たちにきちんと仕事を理解していただいて、教育を受けていただいて、(看護師、介護福祉士などに)なってもらうというのが、誰が考えても筋じゃないかと思います。そうすることで、どこまで人手不足が解消できるのか、そのことの検証をきちっと数字も含めてやるべきです。本当に将来の日本の看護師、介護職の人手不足があって(外国から)来ていただくということになるのであれば、EPAのこの仕組みでは駄目だと思います。もう少しきちんと制度を整えるか、全く別の方法で外国の方に日本の看護師、介護福祉士になっていただくという道を考えていかなければいけないと思います。

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看護介護専門用語を勉強しましょう!Mari kita belajar istilah teknis 〜@じょくそう〜

褥瘡(じょくそう)とは?

長い(なが)時間(じかん)寝た(ね)ままになった状態(じょうたい)が続く(つづ)と、腰(こし)の骨(ほね)や肩(かた)の骨(ほね)の周辺(しゅうへん)など、とがった部分(ぶぶん)に圧力(あつりょく)がかかり、血液(けつえき)の流れ(なが)が悪く(わる)なります。その状態(じょうたい)が続く(つづ)と、そこを中心(ちゅうしん)に体(からだ)の細胞(さいぼう)が死んで(し)しまいます。それによってできた傷(きず)のことを褥(じょく)瘡(そう)、あるいは床(とこ)ずれともいいます。
定期的(ていきてき)に体(からだ)の向き(む)を変えて(か)あげることで予防(よぼう)できます。2時間(じかん)ごとに行う(おこな)ことが基本(きほん)です。
患者(かんじゃ)さん、利用者(りようしゃ)さんの中(なか)に褥(じょく)瘡(そう)ができた人(ひと)はいませんか?入浴(にゅうよく)介助(かいじょ)のときなどに、体(からだ)を観察(かんさつ)して、早く(はや)発見(はっけん)しましょう。
※漢字(かんじ)の練習(れんしゅう)をしましょう。

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漢字の成り立ち 〜Asal KANJI〜@にくづき

漢字(かんじ)は古来(こらい)中国(ちゅうごく)から伝わりました(つた)。漢字(かんじ)の読(よ)み方(かた)には「音読(おんどく)」「訓読(くんどく)」があり、音読(おんどく)は中国(ちゅうごく)から伝(つた)わった読(よ)み方(かた)、訓読(くんどく)は日本(にほん)で生(う)まれた読(よ)み方(かた)だと言(い)われています。

漢字(かんじ)には「にんべん」「しんにょう」「うかんむり」などの「部首(ぶしゅ)」があり、部首(ぶしゅ)がわかるとその漢字(かんじ)のもつ大体(だいたい)の意味(いみ)がわかります。医療(いりょう)介護(かいご)の現場(げんば)でよく使(つか)われる漢(かん)字(じ)を勉強(べんきょう)しましょう。

<体(からだ)に関係(かんけい)する漢字(かんじ)>

体(からだ)に関係(かんけい)する漢字(かんじ)には、漢字(かんじ)の左側(ひだりがわ)に「月(つき)」が付(つ)くことが多(おお)いです。この部首(ぶしゅ)は「にくづき」と呼(よ)ばれ、「肉(にく)」という漢字(かんじ)が変化(へんか)したものです。

「にくづき」にはこういう漢字(かんじ)があります。見た(み)ことがありますね?他(ほか)にも探(さが)してみましょう。

肌(はだ)(肌(はだ)の色(いろ)、白(しろ)い肌(はだ)、肌(はだ)荒(あ)れ、肌(はだ)の手(て)入(い)れ)

胸(むね・きょう)(胸(むね)が痛(いた)い、胸(きょう)囲(い)、胸(むね)やけ)

臓(ぞう)(心臓(しんぞう)、臓器(ぞうき)、肝臓(かんぞう)、腎臓(じんぞう))

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チャレンジ!試験問題 〜看護〜 〜Latihan Soal ujian KANGO〜@

看護(かんご)記録(きろく)について正(ただ)しいのはどれか、2つ選(えら)べ

1.看護師(かんごし)以外(いがい)でも記載(きさい)できる。

2.保存(ほぞん)期間(きかん)は3年間(ねんかん)である。

3.記録者(きろくしゃ)の署名(しょめい)は必(かなら)ずしも必要(ひつよう)ではない。

4.訂正(ていせい)時(じ)には修正(しゅうせい)液(えき)を使用(しよう)しない。

5.「保健師(ほけんし)助産師(じょさんし)看護師法(かんごしほう)」によって記載(きさい)が義(ぎ)務(む)づけられている。

(解答) 正解(せいかい):1、4

1.(正しい)...看護師(かんごし)以外(いがい)の記載(きさい)の禁止(きんし)は定(さだ)められていない。

2.(誤り) ...「医療法(いりょうほう)施行(しこう)規則(きそく)」第(だい)21条(じょう)の5に「2年間(ねんかん)」と定(さだ)められている。

3.(誤り) ...記録(きろく)の責任(せきにん)を明(あき)らかにするため、必(かなら)ず署(しょ)名(めい)する。

4.(正しい)...記録(きろく)の過程(かてい)がわかるよう二重線(にじゅうせん)で消(け)し、署名(しょめい)するのが望(のぞ)ましい。

5.(誤り) ...「医療法(いりょうほう)施行(しこう)規則(きそく)」第(だい)21条(じょう)の5に定(さだ)められている。助産師(じょさんし)が記録(きろく)する助産録(じょさんろく)は「保健師(ほけんし)助産師(じょさんし)看護師法(かんごしほう)」により規定(きてい)されている。

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チャレンジ!試験問題 〜介護〜 〜Latihan Soal ujian KAIGO〜@

感染症(かんせんしょう)に関(かん)する次(つぎ)の記述(きじゅつ)のうち、適切(てきせつ)でないものを一(ひと)つ選(えら)びなさい。

1.麻疹(ましん)は、飛沫(ひまつ)感染(かんせん)によって生(しょう)じる。

2.疥癬(かいせん)は、ヒセンダニの感染(かんせん)によって生(しょう)じる。

3.インフルエンザの迅速(じんそく)診断(しんだん)には、鼻(び)咽頭(いんとう)粘液(ねんえき)を用(もち)いる。

4.ノロウイルス感染(かんせん)予防(よぼう)のため、予防(よぼう)接種(せっしゅ)が行(おこな)われる。

5.MRSAは、健全(けんぜん)な若者(わかもの)にも感染(かんせん)する。

(解答) 正解(せいかい):4

1.(正しい)...麻疹(ましん)は麻疹(ましん)ウイルスの飛沫(ひまつ)感染(かんせん)による感染症(かんせんしょう)である。

2.(正しい)...疥癬(かいせん)は疥癬(かいせん)虫(ちゅう)(ヒセンダニ等(とう))を病原(びょうげん)とする感染症(かんせんしょう)である。

3.(正しい)...インフルエンザは年(とし)により流行(りゅうこう)の型(かた)がある。診断(しんだん)のために鼻(び)咽頭(いんとう)粘液(ねんえき)による検査(けんさ)が実施(じっし)されるようになり、早期(そうき)発見(はっけん)が可能(かのう)になった。

4.(誤り) ...ノロウイルスに効(き)くワクチンはないので、予防(よぼう)接種(せっしゅ)はない。

5.(正しい)...MRSA(メチシリン耐性(たいせい)黄色(おうしょく)ブドウ球菌(うきゅう))は健康(けんこう)な若者(わかもの)にも感染(かんせん)する。予防(よぼう)には確実(かくじつ)な手(て)洗(あら)いが重要(じゅうよう)である。

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看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN)2017年 1月〜11月号

2016年 1月〜12月号

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