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ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

(私の視点・記者の視点)EPA研修生/日本定着へハードル下げて(高原敦) (2009/04/02 朝日新聞 朝刊 15ページ)

全国の病院や特別養護老人ホームなどで、計208人のインドネシア人が働き始めた。日本とインドネシアが結んだ経済連携協定(EPA)に従って、日本で看護師や介護福祉士になろうと来日した研修生で、日本国内で日本語を半年間学んだ後、今年1、2月に着任した。全員が母国の看護師資格を持ち、経験豊富な人も多いのだが、出会った人の大半が不安と焦りを抱えていた。

与えられた期間に日本の国家試験に受からなければ帰国させられてしまう制度のためだ。チャンスは看護が3年で3回、介護福祉は日本での3年以上の実務が受験条件となるため、4年で1回しかない。

重くのしかかるのが言葉の壁、とりわけ漢字だ。「褥瘡(じょくそう)」「仙骨(せんこつ)部」といった、日本人でも難しい専門用語と格闘せねばならない。ある研修生は日尼(インドネシア)辞書を手に「頭が爆発しそうだ」と嘆いた。

看護や介護の新たな担い手と期待して受け入れた病院・施設側も、試行錯誤で応援している。日本語の日記を書かせて添削したり、その日の体験を終業前に日本語で語らせたり……。ある病院は毎日、漢字や国家試験の模擬問題を2時間猛勉強させていた。さながら学習塾のようだ。

日本政府は半年間、日本語の訓練をしただけで、その後の研修の中身や国家試験対策などは現場に丸投げしており、人手不足を補いたい現場との落差は絶望的に大きい。

EPAで日本は輸出自動車や電子機器の関税の撤廃や削減といった果実を得る見返りに、研修生を受け入れた経緯がある。「外国人の単純労働者は受け入れられない」という従来の方針があり、今回はあくまで人材交流と位置づけ、労働力不足の解消策ではないとの姿勢を強調している。そうした経緯が現場への冷たい態度に表れているように思える。

インドネシアでは人前で怒ることは恥ずかしいこととされている。留学した際にそうした民族性にふれた私の印象でも、微笑を絶やさず温和で親切な人が多い半面、不満があっても腹の中にため込む人も多い。若い労働力を日本に送り出し、その十分な見返りが得られるかをインドネシアの国民は注目している。「冷たい政策」に憤りを抱いて研修生たちが帰国し、その話が広まれば、対日感情の悪化につながりかねない。

欧米や中東では看護・介護労働力をアジア諸国から補う政策が取られ、永住権を与えるなどして優秀な人材を奪い合っている。取材で会ったある施設の経営者は「外国人を受け入れないと、日本の福祉は将来破綻(はたん)する」と漏らしたが、日本はかなり後れを取っている。

ここはまず、素質とやる気のある研修生が、日本にとどまりやすいよう工夫すべきではないだろうか。政府は滞在許可期間をもっと長くして受験機会を増やすなどハードルを下げ、きめ細やかなケアにも乗り出してほしい。せっかくなら、今回の機会を、外国人労働者との共生を図るテストケースにしたい。

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フィリピン人看護師・介護士派遣/現地選考にミスマッチ/年齢・日本語能力/考慮せず(2009/04/03 朝日新聞 朝刊 11ページ)

日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)に基づくフィリピン人看護師・介護福祉士の日本派遣で、選考方法に問題があり、適切な人材が必ずしも候補になっていない実態が浮かび上がってきた。派遣者はまもなく決まるが、日本側の希望と合わず、派遣枠が満たされない可能性がある。

「なぜ落ちたのかわからない」。ジェニファー・ゴーさん(29)は海外雇用庁(POEA)が募った日本行き介護福祉士候補に応募したが、連絡もないまま説明会や日本側の面接が終わってしまった。

07年5月からルソン島中部スービックの日本人向け「退職者村」で介護の仕事をしながら日本語を学び、日本語能力試験3級に合格。「毎日、お年寄りの世話をし、日本語も懸命に勉強したが、能力や経験は考慮されなかった」

同僚のアイラ・イグナシオさん(23)は06年に看護師資格をとった。看護師として日本に行くには3年の実務経験が必要なため、介護福祉士で応募したが返事はなかった。

今回の派遣枠は看護師200人、介護福祉士250人。POEAによると、計5768人の応募があったが、選考過程には問題点が多い。

応募が予想外に多く、日本側面接の前に候補絞り込みを任されたPOEAは「看護師は3年の実務経験」「介護福祉士は4年制大学卒」などの条件を満たし、書類を提出した順に552人を選び、日本語能力や年齢は考慮しなかった。また、募集開始後、介護福祉士に応募した看護師らを対象から除く方針に変更。多くの看護師が道を絶たれた。

背景に、日本の国家試験に合格しなければ帰国させられる制度への「プロの看護師を訓練生扱い」(フィリピン看護師協会)との批判がある。POEA幹部は「看護師を介護福祉士として送ったら各方面から批判される」と国内世論への配慮を認めた。

日本の病院や介護施設側からも不満が漏れる。マニラでの説明会では担当者から「将来を見据えて優秀な人材を求めているのに、数年の出稼ぎ気分の人が多い」といった感想が聞かれた。多くの病院や施設は20~30代の候補を希望していたが、50代もいた。

優秀な候補に希望が集中する一方、採用を見送る施設も出そうだ。退職者村を経営する高橋信行さんは「いい人材を選べるよう絞り込み方法を両国が事前に考えるべきだ」と調整不足を指摘する。

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[ディープ・フォーカス―この人に聞く]特別養護老人ホーム「若水館」 五反田昭子(ごたんだ・あきこ)介護部長(56)(2009/04/06 愛媛新聞 13ページ)

◇インドネシア人介護士候補生受け入れ 貴重な人材 現場に新風
経済連携協定(EPA)によるインドネシア人介護福祉士候補生が一月末、全国の 福祉施設に配属され、愛媛でも二人が働き始めた。将来の介護人材は国内で確保できるのか、他国の労働力は必要か。不況で介護業界の求人率の高さが注目される中、候補生一人を受け入れた特別養護老人ホーム「若水館」(新居浜市若水町一丁目)の五反田昭子介護部長に聞いた。

候補生の働きぶりは百二十点。言葉が通じにくい分、入所者と目線を合わせコミュニケーションしていて、入浴に排せつ、食事と機械的に仕事をこなしがちな私たちの方が見習うべき部分があります。お年寄りが外国人の彼女を受け入れるかどうか、心配は無用でしたね。気難しい相手でも真正面から向き合うのが人気のもと。母国で看護師経験もあり、技術面で問題はありません。

最大の壁は専門用語。仰臥位(ぎょうがい)や側臥位、衣服の着脱介助の順序を指す「脱健着患」など、意味をつかむだけでも難しい。試験のチャンスは一回なので、ひねった問題にもついていけるよう週三回、日本語勉強の時間を設けています。

そもそも候補生を受け入れたのは、将来必ず訪れる介護の人材不足にいち早く取り組もうという社会福祉法人の方針です。給与や福利厚生は日本人職員と同じで、労働力として安いということはありません。

若水館の職員確保は今は落ち着いていますが、景気が良く大手企業の採用が多いころは離職者も出ました。本年度は法人全体で介護職の新卒十四人を採用しました。地域密着型の介護施設が増えたり在宅ヘルパーの人手も必要だったりで、他施設も人材不足ではないでしょうか。

不況で介護への転職支援がニュースになっていますが、こちらとしては正職員になれるから、収入が安定するからという動機では、その後の離職や質の低下が心配です。介護の仕事は人相手で、厳しいのは事実。安易な気持ちでは来てほしくありません。

今回のインドネシア人の介護士候補生は、受け入れる職場にも入居者にもその家族にも、新しい風を送ってきてくれています。今後も機会があれば、積極的に受け入れていくと思います。

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インドネシア介護士ら/来日困難のおそれ/受け入れ希望施設3分の1に(2009/04/09 NHKニュース)

EPA(イーピーエー)=経済連携協定に基づいて日本で介護士と看護師として働くことを目指すインドネシア人について、今年度、受け入れを希望する施設が昨年度の3分の1に減り、応募者の大半が来日できなくなる恐れが出ていることがわかりました。

景気の悪化で介護分野への求人が回復しつつあることなどが影響していると見られています。

EPAに基づくインドネシア人の受け入れは、昨年度から始まり、これまでに日本で介護士や看護師として働くことを目指す208人が来日し、今年度も最大で792人を受け入れる計画です。

ところが、窓口を務める「国際厚生事業団」が、今年度、受け入れを希望する介護施設や医療機関を募集したところ、先月末の締め切りまでに応募してきたのは74施設で、求人もあわせて169人にとどまりました。

これは、施設数、求人数とも、昨年度のおよそ3分の1に減少しています。

インドネシア側では、すでにおよそ1000人が来日を希望しているということで、国際厚生事業団は、このままでは応募者の大半が来日できなくなる恐れがあるとして、募集期間を急きょ延長し、受け入れを呼びかけています。

これについて、厚生労働省は、「景気の悪化で介護分野への求人が回復しつつあることに加え、日本語の教育に費用や手間がかかることなどが影響していると見られる」と話しています。

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記者コラム//上原すみ子/外国人医師に活躍してもらうためには(2009/04/10 Fuji Sankei Business i 24ページ)

医療機関専門の人材紹介会社が、日本で働きたい外国人医師を日本の医療機関に仲介し、日本の医師不足に一役買おうとしている。昨年、第1弾として、中国人医師を北福島医療センターに仲介したほか、日本語のできる外国人医師を医師不足が深刻な地方の医療機関の産婦人科や小児科に紹介しようと奔走している。

本来であれば、外国人医師に日本の国家試験を受験してもらい、日本で働いてもらうのがベストだが、「臨床修練制度」という研修制度を利用することで実現できるという。

前例もある。岩手県では2005年に産婦人科医不足を補うため、この制度を利用して中国の遼寧省瀋陽市の中国医科大と協定を結び、岩手医大に日本語のできる中国人医師を研修医として迎え入れた実績がある。

元々は外国人研修医のために、日本で診療などに従事できる制度として創設されたのだが、医師不足を解消するために活用した珍しいケースで、同じように活用しようと考えている大学病院も少なくない。

労働時間が不規則な産婦人科と小児科の医師不足は深刻化する一方。特に医師が都市部に集中した結果、地方では、小児科医が休診や廃業に追い込まれるケースも後を絶たない。

日本は、東南アジアの国とEPA(経済連携協定)と呼ばれる、貿易だけではなく、人の移動も自由化する2国間協定を相次いで締結した。本来はフィリピンとの協定を通じて、日本に看護師を招聘(しょうへい)する計画だったが、実際にはほとんど実現していないのが実情だ。

というのも、世界的にも優秀な医師や看護師は不足している。フィリピンの看護師さんは、同じ英語圏の香港やシンガポール、中東でも人気でいわば引っ張りだこ。日本語しか通じない日本の医療機関は不利な条件にある。

英語が普及していないのであれば、無料で日本語を教えればいいという意見もある。外国人医師や看護師を招くのであれば、日本語のできる人だけを受け入れるのではなく、無料の日本語学校などを全国的に整備し、彼らが日本での生活を楽しめるような支援策も同時に打ち出さない限り、優秀な人材を招くのは難しいといえる。

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インドネシア人看護師・介護士の受け入れ人数/予定の2割(2009年4月14日 読売新聞)

日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき、日本の病院や施設が希望している今年度のインドネシア人看護師・介護士の受け入れ人数が、受け入れ予定(計約800人)の約5分の1にとどまっていることが分かった。

日本語教育にコストがかかることなどが敬遠の理由と見られる。あっせん機関の国際厚生事業団は、今月3日までだった募集期間を延期し、病院や施設に個別に打診するなど、受け入れ先の確保に躍起になっている。

インドネシア人看護師・介護士は2年で計1000人を上限に受け入れることになっている。第1弾の昨夏の来日は準備不足もあって計約200人にとどまったため、2年目の今年度は看護師約300人、介護士約500人を受け入れる予定。インドネシア側の希望者は数千人に上り、同国政府の書類審査を通過した約960人が今月下旬、ジャカルタ市内などで合同説明会に臨むことになっていた。

しかし、日本側の受け入れ希望は今月1日現在、看護師が29病院・65人、介護士が45施設・104人の計169人。このため、同事業団では募集締め切りを今月3日から同20日に、合同説明会も来月に延期した。

受け入れ希望が少ない背景には、EPAで来日する外国人看護師は3年、介護士は4年以内に日本語で国家試験に合格しなければ帰国を余儀なくされるという高いハードルがある。日本人と同等の給与を保証する一方で、日本語教育や試験勉強の時間を確保する必要があり、「コストに見合うだけの受け入れメリットがない」との声がある。

東京都内の特別養護老人ホームの施設長は「日本語も仕事も専門の指導担当が必要で、人手不足の中では余裕がない」と昨年度に続いて受け入れを見送った理由を語る。一方、昨年度、インドネシア人看護師2人を受け入れ、今年度も希望している永生病院(東京)の宮沢美代子相談役は「今は病院の負担ばかり大きいが、介護、看護専門学校への入学者が減る中、長い目で見て優秀な人材を確保する必要があり、そのための先行投資だ」と話す。

厚生労働省は、受け入れ負担が大きいとの指摘について「人材育成という制度の趣旨をまじめに考えて頂いた結果」(担当者)とするが、日本側の事情で「2年で上限1000人」の枠を大きく下回る事態は避けたいのも事実。「出来る限り受け入れ枠に近づけたい」(経済連携協定受入対策室)と、同事業団と協力して病院や施設に働きかけている。

5月には、フィリピンからも来日する予定だが、看護師200人、介護士250人の受け入れ予定に対し、日本側の受け入れ希望はそれぞれ145人と301人。こちらも看護師では、受け入れ病院が不足している。

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アジアBiz/看護・介護用語を日本語・インドネシア語で/国際基金サイト(2009/04/14 09:48 日経速報ニュース)

国際交流基金は、日本で主に看護、介護分野で働くインドネシア人の日本語学習を支援するため、よく使われる基本的なことばなどを日本語とインドネシア語で紹介するウェブサイトを立ち上げた。

「日本語でケアナビ」と名付けたサイトには、看護、介護の現場で働く場合に必要な基本単語などのほか、他の職場や日常生活で役立つ表現も盛り込んだ。8000の項目語と2000の例文の音声を聞くこともできる。

(EPA)ではインドネシア人の看護師と介護福祉士を日本が受け入れることになった。同基金の関西国際センターが第1陣として2008年8月から09年1月まで研修を担ったインドネシア人への日本語研修での経験をもとに作成した。

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